大学生が避けられないこと、それは論文執筆です。文系、理系の違いや専攻を問わず、大学生活では論文の提出を求められる場面が多くあります。そして、いざ論文を書こうと意気込んでも、研究テーマが曖昧で何から手を付ければよいか分からない、読みたい文献にアクセス出来ないと、焦った経験がある人も少なくないはずです。今回はそんな時の救世主、図書館のレファレンスサービスについて紹介したいと思います。
レファレンスサービス
図書館が行なう利用者サービスの一つで、必要とする文献や参考図書についての問い合わせに応じたり、検索に協力したりするもの。
(日本国語大辞典より引用)
全国にある多くの図書館で実施されているサービスです。館内のレファレンスデスクに行くと、専門の職員が対応してくれます。文部科学省のホームページによると、その意義と現状は以下の3つです。
ア レファレンスサービスが行われていないと、実際に資料が所蔵されていても利用者が探し出せず、あるいは短時間で回答を得られないため、効率的な利用ができず、資料が活用されない。
イ 利用者は、司書と相談することによって問題解決の鍵を得るとともに、必要な情報や資料が提供され、課題を解決できる。
ウ 評価の高い図書館ほど、レファレンスデスクと担当職員の配置を進めるなど、レファレンスサービスに力を入れている。
(文部科学省ホームページより引用)
主な目的は、利用者が適切な資料や文献を探し出すための手助けをすることだと分かります。しかし、その認知度の低さからレファレンスサービスが十分に活かされていない現状が指摘されていました。その名を耳にしたことはあっても利用したことはない、という人は少なくないはずです。筆者もその1人。存在を知っていながら、馴染みがなく利用したことがありませんでした。
恥ずかしながら大学4年になり、初めて大学図書館のレファレンスサービスを利用しました。卒業論文の準備を進める中でどうしても読みたい文献があったのですが、アクセス方法が分からず、相談することにしました。
文献名を伝えると、図書館員の方がすぐに対応してくれます。そして、所蔵されている図書館を見つけ、その施設に向かう道のりまで丁寧に教えてくれました。また、自宅のパソコンからアクセス出来る電子書籍の利用方法も伝授してくれました。文献にこれほど手軽にアクセス出来る方法があったのかと驚きました。同時に、自力では限界があるということを再認識させられました。
大学図書館のレファレンスサービスなら、探している資料の検索をサポートしたり、研究テーマの参考になる情報の探し方を教えてくれたりします。論文執筆に行き詰った時には、救世主になるかもしれません。これから筆者自身も、積極的に利用していきたいものです。
参考記事:
2024年05月06日 朝日新聞朝刊「絵本探偵さん、あの本を探して 図書館員が語る思い出の本探しをめぐる物語」
2025年06月8日付 朝日新聞朝刊「(あなたに贈る本)深く熱い一期一会、楽しんで 幅允孝さん」
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