宮崎県都城市といえば、読売ジャイアンツ戸郷翔征選手の故郷…だけでなくふるさと納税受け入れ額日本一としても有名です。返礼品の地元産の肉と焼酎がふるさと納税を後押しし、都城市はその財源を生かして多くの制度を導入しています。
まず、ふるさと納税とはどういった制度か確認します。
ふるさと納税とは?
「納税」という言葉がついていますが、実際には自治体への「寄附」のことです。
一般的に自治体に寄附をした場合、確定申告を行うことでその寄附金額の一部が所得税、及び住民税から控除されます。
ですが、ふるさと納税では、自己負担額の2,000円を除いた全額が控除の対象となります。
(全額控除される寄附金額には、収入や家族構成等に応じて、一定の上限があります)
ふるさと納税とは|宮崎県都城市ふるさと納税特設サイトから引用
都城市は豊富な財源を活かし、「保育料の完全無料化」「中学生以下の医療費の完全無料化」「妊産婦の健康診査費用の完全無料化」の3つの完全無料化や移住支援を進めています。「移住応援給付金」では一世帯当たり最大300万円の基礎給付金に加えて18歳以下の子供一人当たりに100万円が給付されるそうです。移住者の世帯主の年齢層も8割が20歳代から40歳代と若く、保育施設も不足気味といいます。
都城市は内陸に位置していることもあり、道の駅NiQLLは広い駐車場や備蓄倉庫など防災拠点としての機能も兼ねています。構内には都城市の主要なふるさと納税返礼品でもある焼酎や宮崎のお肉が販売されていました。私の訪問時には、ちょうどNiQLLの2周年を記念した「ニクル誕生祭」が行われ、子供から高齢者まで幅広い世代で賑わっていました。
都城市にはユニークな図書館もあります。2018年に開館した市立図書館では「話さない・飲食禁止」のルールはなく、気楽に立ち寄られる雰囲気です。開放的な空間には学生から高齢者、家族連れまで多くの姿が見られ、電話する人も見かけました。図書館の前では催し物も開催され、多機能な図書館として市民の憩いの場となっている様子でした。
宮崎県にはお肉や焼酎などのグルメ、プロ野球キャンプ、美しい自然に加え、今回訪れた都城市のように、現代の社会が抱える少子高齢化、社会福祉、自然災害に関わる課題に対応した充実した制度があります。そんな魅力あふれる地に皆さんも一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。
参考記事
2023年7月20日付 読売新聞オンライン ふなっしー、宮崎・都城市へ移住を検討?…特別住民票も受け取りPR
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20230719-OYT1T50248/
2024年1月29日付 読売新聞オンライン 宮崎県都城市で人口回復の兆し…移住者増加「国の一歩、二歩先」進む「三つの完全無料化」
https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20240128-OYTNT50078/
2025年2月9日付 読売新聞オンライン 大阪の居酒屋たたんで繁殖農家「牛に人生かける」…都城市が移住支援拡充、若者集まり企業増える好循環
https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20250204-OYTNT50091/2/
2025年3月23日付 読売新聞オンライン 図書館なのに「話さない・飲食禁止」はり紙なし…気軽で自由度高くしたら市民の提案次々「もっと多様に」
https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20250323-OYTNT50035/
参考資料
宮崎県都城市ふるさと納税特設サイト ふるさと納税とは
https://furusato-miyakonojo.jp/about/about.php