スマホと学業

スマホと学業

 「スマホやめますか、それとも信大生やめますか?」

 これは4日に開かれた信州大学の入学式で、山沢清人学長が新入生に告げた言葉です。1年生たちには衝撃的な一言だったに違いありません。

 山沢学長は若い世代がスマホ依存症 になっている風潮に目を向け、「知性、個性、独創性にとって毒以外の何物でもありません。スイッチを切って、本を読み、友達と話し、自分で考えることを習慣づけよう」と呼びかけました。この言葉を聞いた工学部の男子学生の一人は「学長はスマホ自体を否定しているのではなく、使う際のバランスや学生の本分を忘れるな、と伝えたかったのだろう」と理解を示しました。

 私もこの男子生徒と同意見です。あくまで道具であり、それを使う本人が学業とプライベートで上手く使い分けられるかという問題でしょう。

 一方で教育学部3年の男子生徒によると、「数千字のレポートを提出する時に、まずスマホで入力し、パソコンに転送して印刷する同級生もいますよ」という。また別の私立大学に通う3年の女子生徒は、授業を録音しノートを取れなかった部分を聞き直すのに使ったり、パワーポイントを使った授業で撮影するのに使ったりするとのこと。スマホを肯定する意見が多数挙がりました。

 私の通う東洋学園大学でも使われています。大学内に無料Wi-Fiを設置し、授業変更やシラバスの情報、休講情報、インターンシップ情報、学内説明会、資格情報、時間割が全て学校の専用サイトで表示されるようになっています。他の大学でも同様でしょう。

 若者の使用率が年々上昇し、著しく進むネット社会に対応するために多くの大学で活用され始めています。近い将来、大学に限らず小中高でも活躍の場が広がるかもしれません。

 とはいえ、道具であるなら、講義中は電源を切って講義に集中し、それ以外の時に使用するなど、スマホを使う「本人の気持ちの切り替え」がしっかり行えるかが最大のポイントだと強く考えます。

8日付 朝日新聞朝刊(社会14版) 36面 「スマホやめますか、信大生やめますか」


 

未分類