新たなる歴史の門戸 開かれる

皆さんは、「キューバ・リブレ」といいうカクテルをご存知ですか。1898年に始まった米西戦争のアメリカの勝利と、スペインからのキューバの独立を祝って誕生したカクテルです。アメリカで人気のコーラにキューバを代表するラム酒をミックスしたもので、甘いラムの香りとコーラの炭酸がよく合います。

11日午後(日本時間12日早朝)、中米パナマでオバマ米大統領とキューバのウラル・カストロ国家評議会議長の会談が実現しました。両国の首脳が会談をするのは、1961年の国交断絶以来、初めてのことです。各紙一面で「米キューバ 首脳会談」、「59年ぶり、対立の歴史転換 国交正常化へ弾み」と大きく報じました。

両首脳は、東西冷戦を背景に半世紀以上の敵対関係に終止符を打ち、大使館の早期開設など国交正常化の措置を進める方針を確認しました。キューバとの交渉は、去年12月にオバマ氏が発表。その背景には中国が新運河の建設計画などを通じて中南米に接近している事情があると、日経新聞は報じています。会談冒頭、オバマ氏は「今こそ新しいことに挑む時。キューバ政府や市民に直接関与していくことが重要だというのが私の信念だ」とに語りかけました。一方で両国の間には、人権問題や経済の自由化など課題は残っているようです。

筆者は、去年末に米政府がキューバと交渉を進めているというニュースを知り、大変驚きました。両国の関係は今もなお残る「冷戦の傷跡」という印象が大きかったからです。おそらく筆者と同じような印象を持つ読者の方も多いのではないでしょうか。そして、国交正常化交渉の発表からわずか3ヶ月ほどで、実際に首脳会談が開かれたということは、大変明るいニュースでしょう。

今後、両国はどこまで歩み寄れるのでしょうか。残りの任期が2年を切ったオバマ氏。時間切れを前に、この一歩をどこまで大きな歩みへとつなげることができるでしょうか。

ブレンドすれば互いの持ち味が響きあい、さらに美味しさを増すカクテル。外交は一筋縄ではいかないかもしれませんが、どこまで美しいハーモニーを奏でることができるか。今後が気になりますね。

参考記事:12日付  朝日新聞朝刊(大阪14版) 1,3, 7面

同日付 日本経済新聞朝刊(同版) 1,3,7面

同日付 読売新聞朝刊(同版) 1,2面

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