珍しく早朝の6時に起きて投稿のネタを探すために新聞を読んでいたら、興味深い記事に出会いました。この記事を取り上げるのは、日本人の意識や考え方が昔と今とではどう変化し、今後どうなっていくのかを知り、多くの人に考えてもらいたいからです。
記事では、NHK放送文化研究所が刊行した『現代日本人の意識構造』が紹介されています。高度経済成長期からバブル崩壊後の現在までの40年間の様々な変化を分析した内容です。もととなる調査は、1973からから5年に一回、全国16歳以上の国民5400人を対象に、個人面接で行われます。2013年の調査が9回目で、一番最近です。
対象者には、生活の目標や人間関係などを質問してきました。このうち大きく変わった分野は、男女関係や性に関するものでした。「夫の家事手伝い」について「するのは当然」と選んだ人の割合は53%から89%に増加しました。これは非常に喜ばしいことです。一方で、「政治のあり方」について、選挙を通じて選んだ政治家に任せる「静観」型の人の割合は53~63%の間に留まり、あまり変化していないように見受けられます。
最も驚いたのが、日本人の全体的な意識のなかで、この先の未来に対して希望がないという意識と、現状の社会を変えられるかもしれないという意識が拮抗していたことです。若者の就活事情や経済環境がかつてより厳しくなって生活しづらい状況になっています。その結果、希望が見えなくなってしまった反面、だからこそ自分たちの力で社会を変えるべきだという思いの人が増加してきたことについて、今NHKで放送している大河ドラマの「花燃ゆ」の世界観と似ているようにも思えました。
このように、意識調査を定期的に行い、結果を公表することの意義は大きいと思います。私たちの身の回りの社会、その中で生きる人々の考え方、見方が昔はどうだったのか、それがどう変わっていったのかを知ることは、個々人が考え方を変えるきっかけにも成り得るのです。今後も息長く調査を続けてもらいたいものです。
そして、皆さんの意識が少しずつ前向きな方向に転換し、より良い国や社会を作っていけたなら素晴らしいことです。
参考記事: 5月11日付 読売新聞朝刊(文化 12版) 16面 「日本に対する自信 一転上昇」