責任持って!豊洲盛り土問題

♪どんぐりころころ どんぐりこ
小池にはまって さあ大変
ベンゼン出て来て こんにちは

 先日、寄席に行きました。ある漫才コンビが童謡「どんぐりころころ」の替え歌を披露し、思わずくすり。会場は笑い声に包まれました。

 当初、豊洲(東京・江東)への移転は11月の予定でした。しかし都知事が延期を表明。安全性への懸念、巨額で不透明な費用の増加、情報公開の不足の三つの疑問が解消されていないと指摘しました。ここで浮上したのが豊洲市場の地下で盛り土がされていなかったという問題です。さらに地下空洞の床に水が溜まっていたということもわかりました。ベンゼンは検出されませんでしたが笑い事ではないのです。

 ベンゼンは発がん性が指摘されています。過去に工場跡地である豊洲市場の敷地からは環境基準の4万3千倍の濃度で検出されました。そこで、汚染物質の影響を防止するために盛り土を提言したのです。22日、東京都が小池百合子知事に報告した調査の概要が明らかになりました。しかし、結局のところ、どの幹部の判断で空洞になってしまったのかはわからず。これでは知事も納得ができません。28日にひかえる都議会定例会での審議に間に合うよう最終報告を求めています。

 都庁はしっかりとしてもらいたい。曖昧にしない徹底した調査を求めます。食の安全に関わることですから。豊洲市場で仕入れた食材をたくさんの人が口にします。調査をうやむやにすると風評被害が生じるかもしれません。困るのは消費する私たちだけではありません。市場で働く人も同じです。

 ただでさえ、移転問題で混乱させてしまっているのです。発注から市場到着までに時間がかかる輸入品では、すでに新市場に届くよう手配してしまった人もいることでしょう。忙しそうにターレーを乗りこなし狭い場内で汗を流す姿は凛々しい。そんな私たちの食卓を支えてくれる人々の悲しい顔はみたくありません。魚を届ける人も食べる人も笑顔になれるように、東京都には重い責任感をもって取り組んで欲しいものです。

9月23日 築地市場内にて 筆者撮影
            今日も新鮮な魚介類が並ぶ
            9月23日 築地場内にて 筆者撮影

参考記事:23日付け 朝日新聞朝刊 東京14版 30面「環境アセス 盛り土を前提」
日本経済新聞朝刊 東京13版 34面 「空洞に変更、10〜11年か」
読売新聞朝刊 東京13版 21面 「豊洲地下 誰が主導」

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