不便な自転車道

 普段生活している中で、自転車を利用している方は多いと思います。そして、自転車を利用する上でやっぱり不便に思うのは、道路の狭さと自転車道の少なさではないでしょうか。

 普段からロードバイクを乗りこなして遠い場所へ出かけることがありますが、住まいの周辺には自転車道が設けられていないため、幅の狭い歩道を走らなければなりません。衝突事故を起こさないように歩行者が歩いて来る度に減速しなければなりません。ときには、気持ち良く走ろうと車道を疾走することもありますが、真横を走る自動車と接触しかねないのであまりやらないようにしています。

 日本の都市部の歩道であれ幹線道路であれ、道幅が狭い理由は、いうまでもなく日本の面積が小さく、建物が互いに密集するためです。必然的に道路が狭くなってしまいます。また、地形の上からも起伏が少なく滑らかな道が少ないため、残念なことに自転車道を設けづらいわけです。

 私がこの夏休みの一ヶ月間、インターンシップで訪れたアメリカ・テキサス州は、地形がどこまでも平らで滑らかであるうえ面積がとてつもなく広いので、幹線道路も歩道も日本と比べて2、3倍は幅広く、ゆったりと感じました。とはいえ、アメリカは車社会です。行きたい目的地などが車でしか行けない遠くて複雑な場所にある場合が多いため自転車を利用する人はあまり見かけませんでした。また、歩道もガードレールが設けられておらず、いつ車が歩道にのし上がってもおかしくないような状態です。私が滞在していたホテルから駅に向かう度に恐怖を味わいながら歩いていました

 健康、仕事、買い物、趣味そして幼児の送り迎えなど、さまざまな場面で使われる自転車。5年後に開催される東京オリンピックに向け、自転車専用レーンを積極的に設け、衝突事故を減らすために交通マナーを徹底するなど、人々がより快適にそして安全に自転車を走らせることができる街づくりをすぐに始めるべきだと私は強く考えます。

9月29日付 読売新聞朝刊(くらし 12版) 27面 「自転車道『走りにくい』?」

未分類