高校生にもっと近現代史の授業を

 驚くべき記事を目にしました。今朝の長期連載「教育ルネサンス」です。「高校の歴史教育で生徒の理解度が低いと言われる近現代史を重視する傾向が強まっている」と報じています。たとえば、神奈川県の県立高校では、近現代史に地域を絡めた独自の授業を設けるようになりました。興味深い試みですが、その背景には近現代史を十分に教えてこなかった反省があるそうです。さらに世界史のみを必修としてきたため、およそ3割近い生徒たちは日本史を習っていないというのです。

  また、国立教育政策研究所が05年に実施した高校生を対象とした調査で、日本史、世界史といった近現代に対する理解度が極端に低いのを知り、「近現代をあまり知らない高校生が、こんなにいたとは」と驚かされました。

  私が通っていたのは工業高校です。このため、工業科目の授業が多かったのですが、「現代社会」や「世界史」、「日本史」といった近現代を知る授業はありました。そのおかげで歴史だけでなく、国際関係や社会情勢に関連する知識を得ることができ、今通っている大学の国際関係の講義などで活かしています。「高校の時に学んで良かった」と内心ホッとしています。

  跡見学園女子大の三谷博教授は言います。「現在に直結する時代を知らなければ、他国の人達と上手く付き合えない。日本側、相手側双方の視点から物事を見ることで考えが深まり、現在や未来を考える材料になる」。まさにその通りです。

  近現代を知ることは、その時代に起きた出来事、世界情勢、教養を身に付けるだけにとどまりません。自分のグローバルな視野を広げることにも繋がります。大学受験でもこの分野を重視する傾向が見られますし、日本も以前より国際化しています。神奈川県に限らず、全国の高校生たちに歴史を学ぶ授業を増やすなどの工夫を施してもらいたいものです。世界に羽ばたける国際人をたくさん育てることが急務だと考えます。

参考記事: 618日付 読売新聞朝刊(12版)14面 くらし・教育面 「教育ルネサンス」


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