今朝の紙面で興味深い記事にくぎ付けになったので紹介します。東大先端科学技術研究センターの中邑賢龍教授が始めた、小中学生を対象とした「異才発掘プロジェクト」の紹介です。
今の日本では、小学校や中学校で集団行動に馴染めなかったり、コミュニケーションの取り方が分からず一人ぼっちになったりして、才能を閉ざしてしまう子供たちが大勢います。そういった中には、好きな分野でなら誰にも負けないぐらい特化した「隠れた才能」を持っている子供が少なくありません。「異才発掘プロジェクト」は、そうした子供たちの力を世界トップレベルに引き上げるために作られたのです。
小学校や中学校の頃の私も、クラスに馴染めず、一人ぼっちになることが多かったです。そのためクラスメートから毎日のようにいじめを受けていました。その苦しい毎日が続くうちに、「一人でいる方がずっと楽しい、一人でいる方がずっと楽だ」と思うようになり、日頃の癖である「想像力」に浸るようになりました。
後に想像力を最大限に発揮することになります。パソコンに向かって書き続けたことで、原稿用紙510枚の政治SF小説を書きあげることができました。隠れていた「才能」に目覚めることができたと思います。それ以来、私は小説家という夢の実現のためにストーリーの創作に努めています。
「日本の教育は平均的な子の学力を総体的に上げる点では非常に優れているが、そこからイノベーション(革新)は起きにくい」と中邑氏は言います。確かにその通りです。小、中学校や塾では試験に向けた教育ばかりで、隠れた才能を持つ子供たちの探求心を満たす場ではありません。NHKで放送されている「花燃ゆ」では、志を持った松下村塾の若い志士たちが弾圧される「安政の大獄」が舞台となりました。そのころと状況が似ているように思えてなりません。
「異才発掘プロジェクト」のように、子供たちの突き抜けた潜在力をより伸ばすという教育の場が日本全国で求められています。こうした試みを通じて、日本が誇れる「偉人」を育て、世界へ羽ばたかせる。それこそが日本の未来を支えると信じています。
参考記事:28日付 朝日新聞 教育12版 33面 「出る杭 もっと伸びよ」