大自然の中でデジタルデトックス スマホを一度手放してみませんか?

皆さんはスマートフォンを一日にどのくらい利用していますか。筆者は無意識に長時間使ってしまうことが少なくありません。そんな毎日の生活に欠かせないスマホを6月に訪れた富山県立山市でのハイキングの間は手放してみることにしました。

 

ハイキングの出発地点は長野駅です。駅からバスで扇沢駅まで向かい、黒部ダム駅からロープウェー、ケーブルカー、電気バスを利用し標高2450mの室堂駅へ向かいます。目的地は室堂駅から徒歩1時間ほどの雷鳥沢キャンプ場です。キャンプ場までの道のりは予め準備しておいた地図を見ながら進むためスマホを利用する必要はありません。山道は残雪で覆われて、危険な場所もありました。キャンプ場からは剱岳などの山々を望むことができます。

キャンプ場からは剱岳も望むことができる(6月14日、筆者撮影)

 

このキャンプ場の名称は雷鳥の名前が由来となっています。本州中部の標高2200メートルの高山帯にのみ生息する野鳥です。天気の悪い日の登山道に出没するそうです。氷河時代から生き残った鳥ともいわれ、国の天然記念物に指定されている絶滅危惧種です。

登山道に偶然現れた雷鳥(6月14日、筆者撮影)

 

キャンプ場に到着し、寝床となるテントを設営します。その後、近くにある山荘のお風呂を利用し、テントに戻って夕飯を作る時には辺りはもう真っ暗になっていました。キャンプ中にスマホが気になることはありません。同じくキャンプに訪れている人々とこれからの登山計画やどこから訪れたのかなどのお話をする中で時間はあっという間に過ぎてしまいました。スマホを使わない環境に身をおいたことでこの空間は人と人との距離が近くなったように感じます。夕食を終えて周りの人々の話し声や周辺のテントの明かりがある中、この日は就寝です。時刻は午後8時30分でした。

夜になるとそれぞれのテントの明かりが目立つ(6月13日、筆者撮影)

慣れない環境のせいか翌日は明け方午前3時30分に目が覚めました。寝袋から身を出すと、結露で小雨が降ったようにテントの内部が濡れていました。肌を刺すような寒さの中で朝食を作りました。凍えた体を温めた朝食のスープは今でも忘れられません。食後は片付けをして午前6時30分にはキャンプ場をあとにしました。

早朝の雷鳥沢キャンプ場(6月14日、筆者撮影)

 

最新の気象情報を得る時やいざという緊急事態にはスマホが必要になります。いくらスマホを手放したハイキングといっても何が起こるか分からない山にスマホを持っていないといった選択肢はないのです。

 

山の天気は変わりやすいことで有名です。筆者は山道の途中にある立山自然保護センターで天候や山で発生するガスの状況を確認し、山荘付近のキャンプ場に宿泊することにしました。その他、電源を切ったスマホをリュックサックに入れておいた上にスマホが圏外の場所でも非常通信を行えるアマチュア無線機を持っていきました。ハイキングやキャンプを記録するカメラについても一眼レフカメラを使用し、スマホを持っていっても手を出すことなく楽しむことができました。

 

今回のハイキングでは2日間という短い期間ですがスマホと離れ、無駄なことまで頼りすぎている生活を見直すきっかけとなりました。さらに人との出会いをより大切にでき、画面の中でなく自分が実際に体験する価値の重要性を感じました。生活や仕事に不可欠なスマホですが時には距離を置き、皆さんも自然に溢れた場所でデジタルに触れない日を過ごしてみるのはいかがでしょうか。

ハイキングや登山をする人々で賑わっている登山道(6月14日、筆者撮影)

 

参考文献:

日経電子版 2026年7月24日付 立山連峰、危ない軽装登山 富山県警が注意喚起「観光とは装備全く別」

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO97744370U6A720C2CE0000/?n_cid=dsapp_share_ios