裁判所って何? 身近な法廷、遠い法廷

7月6日、初めて大阪地方裁判所・大阪高等裁判所を訪れ、裁判を傍聴しました。

 

大雨であったにもかかわらず、午前9時30分頃の庁舎内は多くの人でにぎわっていました。入館時には空港のような金属探知機による手荷物検査がありました。

ここで、ある来庁者が「手荷物検査は任意なのだから、受けなくてもよいのではないか」と裁判所職員に問いただし、入口で議論になっていました。職員は任意であるとしながらも、安全確保のため検査への協力を求めていました。最終的には精密機器を荷物から取り出すことで検査が行われていました。

このやり取りを見て、「任意」と実際の運用との違いについて考えさせられました。また同時に、裁判所という場所に対して少し緊張感や不安を覚えながら建物に足を踏み入れました。

 

庁舎内には、その日に公開される裁判の一覧が掲示されており、多くの人が内容を確認していました。

私は気になった事件をいくつかメモし、そのうち高等裁判所での建物侵入事件の判決公判を傍聴しました。この裁判は整理券制で、35席の法廷は満席となり、多くの人が注目している事件であることが分かりました。

 

一覧表に書いてあった、その日の予定は「判決」でした。30分の予定で判決を伝える日だったのです。そのため、裁判官3人が入廷し、裁判長が開廷を宣言すると、判決が言い渡されるものだと思っていました。

しかし、その直後に被告人側は新たな証拠が見つかったことなどを主張し始めました。裁判長はその発言を受け入れず、判決手続きを進めようとしたため、傍聴席からも声が上がり、法廷内は一時騒然となりました。静粛を求めた裁判長に対し、傍聴人から「市民の声だ」という声が上がり、一時的に議論が止まりました。

私は被告人の主張が十分に聞かれていないように感じ、強い疑問を抱きました。

ただ、傍聴したのは判決公判のみであったため、それ以前にどのような審理や証拠調べが行われていたのかは分かりません。そして、限られた場面だけを見て判断することの難しさも実感しました。

 

また、被告人は裁判官ではなく傍聴席に向かって語りかけ、傍聴人もそれに応じる様子が見られました。最終的には被告人が裁判の進め方に反抗しすぎているということから、退廷を命じられ、強制的に退出させられました。肝心の判決ですが、控訴は棄却され、被告人側の敗訴となりました。この結果に多くの傍聴人は非難の声をあげていました。

 

これらの一連の出来事は、ドラマなどで見ていた裁判とは大きく異なります。現実の法廷が持つ緊張感を肌で感じる経験となりました。

 

 

今回の傍聴を通して、自分が裁判制度について十分な知識を持っていないことに気が付きました。「任意」とされる手荷物検査の運用、法廷での発言のルール、判決公判に至るまでの手続きなど、さまざまな疑問が心の中に残りました。裁判は一場面だけを見ても全体像は理解できず、継続的に経過を追うことではじめて見えてくるものがあることにも気が付きました。

 

今回抱いた疑問を出発点として、裁判制度や司法の仕組みについてさらに理解を深めていきたいと思います。

 

〈参考文献〉

裁判所, 入庁者に対する所持品検査について https://www.courts.go.jp/osaka/about_tiho/osirase/nyutyoukensa/securitycheck.html