かわいらしい姿の裏に直面する環境問題 私たち一人一人にできることとは

4月25日は世界ペンギンの日に制定されています。毎年この日の前後にアデリーペンギンがアメリカの南極基地に現れるようになったことが由来となっています。

ペンギンは主に南半球に生息する海鳥で、そのヨチヨチと二足で歩くあの愛くるしい姿に誰もが魅了されたことでしょう。しかし、ペンギンは直立二足歩行をしているわけではありません。骨格標本をみると分かるように膝をまげた前傾姿勢をとって歩いており、人間のような直立二足歩行の定義には当てはまらないのです。海鳥でありながら飛べない訳はペンギンの羽が羽ばたくためではなく泳ぐためのヒレとして進化したからだと考えられています。身体は極寒の南極に生活するために全身が羽毛で覆われています。小さな羽毛が高密度で生えており、防水、防寒、断熱の重要な役割を果たしています。

ヨチヨチと歩くペンギン(3月25日、筆者撮影)

 

ペンギンは6属18種類からなっており、下記のように分類されています。

筆者作成

 

そんな多種多様なペンギンは今、危機にさらされています。2026年4月9日に国際自然保護連合(IUCN)がレッドリストに載せていたコウテイペンギンの危険レベルを引き上げました。レッドリストは地球規模の野生動物の絶滅危惧種リストであり、絶滅の恐れが高いとされる上位から3段階あるレベルの2番目となる「危機」に追加しました。レベルは「深刻な危機」、「危機」、「危急」の順に続き、いままでコウテイペンギンはこれらの段階のさらに下にある「準絶滅危惧」に分類されていました。現在は8種類のペンギンがレッドリストの対象となっています。

水槽を自由に泳ぐペンギン(3月25日、2枚とも筆者撮影)

 

コウテイペンギンはエンペラーペンギンとも呼ばれ、南極大陸の沿岸部に生息しています。名前は全種類のペンギンの中で最大の体高に由来し、平均1.1~1.3mの体高を誇ります。大きな体と胸元の黄色の模様、黒色の足が特徴です。コウテイペンギンが発見されるまで最大の大きさであったオウサマペンギン(キングペンギン)を上回ったためコウテイペンギンと名付けられました。日本国内では名古屋港水族館と和歌山県のアドベンチャーワールドで会うことができます。

名古屋港水族館にいるコウテイペンギン(3月25日、筆者撮影)

 

ペンギン減少は地球温暖化が主な原因となっています。温暖化が進行することは南極の海氷減少につながり、ペンギンの生活圏、繁殖地が奪われることにもつながります。これはペンギンに限った話ではなく、多くの動植物、環境に影響を与え、IUCNはコウテイペンギンの他にもナンキョクオットセイもレッドリストの「低懸念」から「危機」に引き上げています。

生命の歴史を絶やさぬためにも生態系や生き物についての正しい情報・知識を取り入れる必要があります。そして私たち一人一人にできる節電や節水、環境にやさしい製品を選ぶことなど身近にできる温暖化対策を息長く実践することが重要です。

 

参考文献:

2026年4月9日 読売新聞オンライン 絶滅危惧種にコウテイペンギン追加、2番目に高リスクの「危機」…ナンキョクオットセイも引き上げ

https://www.yomiuri.co.jp/science/20260410-GYT1T00105/

2026年 4月9日 日経電子版 コウテイペンギンが絶滅危惧種に 温暖化で南極の海氷減少

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD096V00Z00C26A4000000/

 

参考資料:

IUCN レッドリスト

https://www.iucnredlist.org/ja#:~:text=%E7%A8%AE%E3%82%92%E6%AC%A1%E3%81%AE9,%E3%80%81%E3%80%8C%E7%B5%B6%E6%BB%85%E3%80%8D%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%82

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