先日、YouTubeを閲覧していると、「どきどきサイクリング|ゲーム感覚で自転車の交通ルールを学ぼう!」という動画が目に入りました。乙女ゲーム風の動画を、政府広報オンラインが投稿しています。興味を抱いて閲覧してみると、主人公とイケメン警察官とのやりとりをコミカルに描きながらも、自転車に乗る上で気をつけなければならないことを楽しく分かりやすく伝えていました。
この動画が投稿された背景には、4月から16歳以上を対象に、自転車の交通違反に交通反則切符(青切符)を交付する制度が始まったことがあります。日本経済新聞4月1日付の記事によると、自転車が当事者となった死亡重傷事故は7096件あり、その4分の3で自転車側に法令違反があったそうです。この数字は、自転車の交通違反が事故につながっていることを示し、取り締まり強化の必要性を感じさせます。
筆者は、自転車の法令違反に青切符を交付することに強く賛成します。よく自動車を運転するのですが、自転車の急な飛び出しや蛇行運転に驚かされることが少なくありません。罰則強化により交通ルールへの意識が高まり、危険な運転が減ってほしいと考えます。ただ、制度の効果を最大限に発揮させるには、課題もあります。
先月末、長野市の市道で女子中学生が自動車にはねられ重傷を負う事故がありました。この中学生は自転車で道路左側を直進していたところ、同じ方向で走っていた自動車に後ろからはねられたそうです。事故から2日後には青切符の交付スタートが控えていることもあり、自転車の通行区分、さらには罰則強化の是非についてSNS上では話題になっていました。
以前から、自転車は車道を走らなければならないとされていますが、現実には歩道を走っていることが多々あります。調べてみると、歩道走行は全面的に禁じられているわけではなく、車道の交通量が多かったり車道が狭かったりして危険な場合には、歩道を走れるとされているそうです。
車道と歩道のどちらを走るべきかという線引きを、運転者の判断に委ねていることは、かえって危険を生むのではないかと考えます。特に、低年齢層が車道の交通量の多さや危険さを判別するのは、難しいのではないでしょうか。青切符の交付が始まったことにより、歩道を走ることができるか迷い、あえて車道を走ることを選んだところ、事故に巻き込まれる。そんな悲劇が起こるのではないかと危惧しています。運転者の判断ミスによる事故を防ぐためにも、車道と歩道のどちらを走るべきかの基準を、国が明確に定めることが必要ではないでしょうか。
参考記事:
2026年4月2日 朝日新聞デジタル「自転車、青切符スタート 事故抑止へ113の違反対象」
2026年4月1日 日経電子版「自転車違反に「青切符」スタート 警視庁、制度を周知」
2026年3月30日 日経電子版「自転車「歩道走行」どこまで取り締まり? 1日から反則金6000円」
2026年4月1日 日経電子版「死亡・重傷事故、75%で違反 昨年」
2026年3月31日 FNNプライムオンライン「自転車の15歳女子中学生が重傷 道路左側を走行中に後ろからきた車にはねられる 現場は幅約5メートルの市道 長野市」