福岡市で16、17日の2日間、一人ひとり異なる生理・PMS(月経前症候群)に伴う症状を可視化する展示会「違いを知ることからはじめよう展in福岡」が開かれました。製薬メーカーのツムラが、生理などでの「隠れ我慢」を正面から取り上げたものです。筆者は、メディア内覧・取材会に参加しました。
■違いを知ることからはじめよう展
女性の一生における生理の平均日数は3192日(約8年9か月)と言われています(内閣府男女共同参画局「男女の健康意識に関する調査」平成30年より)。それほど女性の人生に長く関わっていますが、3人に2人ほどは周囲に症状やつらさを伝えにくいと実感しています。
一方で、このような症状・つらさを、知りたいけれど機会がないという人も少なくありません。調査では、男性の56.8%、女性の71.6%が「もっと知る機会がほしい」と回答しました。
そこでツムラは、「違いを知ることからはじめよう展」として、展示や疑似体験などを通じ、症状や「隠れ我慢」への理解を深める様々なコンテンツを用意しました。
<生理・PMSに伴う「倦怠感・だるさ」による影響>
生理・PMSに伴う「倦怠感・だるさ」による影響を表したベッドとコートが展示されています。布団は持ち上げることができ、コートは着ることができます。ただ、それぞれに重りが仕組まれており、体が重だるくて起き上がれない様子や、倦怠感で少し歩くのも疲れる症状を体験することができます。
<生理・PMSに伴う集中力低下による影響>
「頑張りたいのに集中できないパソコン」では、集中力低下による影響を体験することができます。筆者も実際に入力してみました。文字や入力画面が、グニャグニャと変形していきます。痛みや倦怠感により集中できない様子を、わかりやすく表現していました。
<生理痛体験「ピリオノイド」>
生理痛VR体験装置「ピリオノイド」も設置されています。生理中に生じる下腹部の痛みを疑似体験できる装置です。下腹部にパッドを貼り、内側から絞り込まれるような鈍痛を再現します。生理による腹痛の程度は、人によって大きく異なります。男性は女性の感じる痛みを知ることができ、女性は自らの痛みの程度がどれほどなのか、確認することが可能です。
■#OneMoreChoiceプロジェクト
本展示会は「#OneMoreChoiceプロジェクト」の一環です。「生理のつらさを、我慢しなくていい社会へ」を掲げるツムラは、不調への「隠れ我慢」を減らし、誰もがもっと心地よく生きられる健やかな社会をめざした取り組みを続けてきました。その一つに、企業・団体向けの研修プログラムがあります。
大学向けプログラム「Carellege Action」の研修では、自分がどんな「隠れ我慢」をしているのかを知り、その対処法を学べます。さらに、ライフステージに伴って変化する不調と健康管理から、自分のライフ・キャリアプランを学ぶことも可能です。男子学生の参加も多いようです。
ツムラ社員の宮城英子さんは、学生の段階で「隠れ我慢」をしてしまっている事実を認識する必要があると言います。
「学生の間に『隠れ我慢』を続け、そのまま『社会人になったらもっと我慢しなければならない』と思い込んでしまう学生さんは非常に多くいます。しかし調査でわかったのは、その周囲には『我慢しなくてもいい』との声が多いということです」
「『隠れ我慢をする必要はない』ということを、学生さんや新社会人に研修で伝えられたら、との思いで取り組んでいます」
■「違い」が知られたその先へ
筆者は生理による痛みにより体を動かすことがつらく、アルバイトを休んだ経験があります。生理の痛みが原因だとは言いづらく、「体調不良」としました。生理が「女性の自己責任」に押し込まれる動きへの違和感を記事にしたことがあるのに、なぜ隠したのだろうと後悔しています。
生理やPMSについてもっと肩ひじ張らずに話せる社会になれば、「隠れ我慢」の必要はなくなります。対応の仕方がわからない、と悩むこともなくなります。男性も女性も、誰もが過ごしやすい社会にするために、その一歩として「違いを知ることからはじめよう」。
参考資料:
・株式会社ツムラ「#OneMoreChoiceプロジェクト」
https://www.tsumura.co.jp/onemorechoice/
・株式会社リンケージ 「生理痛を疑似体験できる『ピリオノイド』」
https://linkage-inc.co.jp/perionoid/
(最終閲覧はすべて2026年10月17日)







