異常気象を防ぐには何ができる?

10月に入り早くも2週間が経とうとしている。いつの間にか冷房をつけなくとも快適に過ごせる気候になっていることに気づいた。街を歩けば秋らしい装いの人たちを見かけ、吹きつける風が心地よく感じる。

 

暑かった夏は、何かと災害が多かったように思う。7月末には熊本で最大震度7の大地震が発生。8月には石川や千葉が激しい豪雨に見舞われた。千葉では9月にも台風25号により印旛沼の堤防が決壊するなど、大きな被害を被った。世界に目を向けると、ネパールで8月末に大規模な土石流が発生し、多くの命が失われた。筆者自身は災害にあってはいないが、9月に地元の名古屋で1時間あたりの降水量が観測史上最大となるほどの豪雨が発生し、家族や友人と連絡を取り合う、なんてことがあった。

 

豪雨や猛暑などの異常気象が年々増えてはいないだろうか。以前はこれほど暑さや雨がひどくなることはなかったように感じる。ヨーロッパでの記録的猛暑のような異常気象のニュースを見かける機会も増えたように思う。

 

実際に異常気象は増加しているのか調べてみた。まず夏の暑さに関しては、日本では猛暑日の年間日数が増加しており、特に1990年代半ば以降急増している。また、日本・世界ともに平均気温が上がっており、こちらも90年代からの急上昇が際立つ。

棒グラフ(緑):各年の年間日数(全国13地点における平均で1地点当たりの値)、折れ線(青):5年移動平均値、直線(赤):長期変化傾向を示す。

(気象庁|日本の気候変動2025 —大気と陸・海洋に関する観測・予測評価報告書—より)

 

次に豪雨に関して。日本では大雨の年間発生回数が増加しており、強い雨ほど増加率が高い傾向にある。

(気象庁|日本の気候変動2025 —大気と陸・海洋に関する観測・予測評価報告書—より)

 

猛暑や豪雨などの異常気象の頻度が、特に日本で増加傾向にあるといえるだろう。背景には何があるのか。要因の1つとして指摘されているのが地球温暖化である。気温の上昇によって猛暑になるだけでなく、大気中の水蒸気量も増加する。空気は気温が高いほど多くの水蒸気を含むことができるためだ。実際に、日本上空の水蒸気量も増加傾向にあることが確認されている。より多くの水蒸気が蓄えられることで、降雨が強まりやすくなるわけだ。

 

そもそも地球温暖化はどのようなメカニズムで引き起こされるのだろうか。地球は太陽のエネルギーによって熱せられているが、逆に地表から熱エネルギーを赤外線の形で宇宙へ放出している。この赤外線の一部を大気中の温室効果ガスが吸収し、様々な方向へ再び放射することで、地表付近の温度を保つ働きをしている。しかしその一部は地表方向にも向かうため、温室効果ガスが過剰になると気温が上昇してしまう。

 

では実際に温室効果ガスが増加しているのだろうか。そうだとしたらなぜか。調べると、温室効果ガスの一種である二酸化炭素の大気中濃度は、2023年に約420ppmに達し、工業化以前の約278ppmの約1.5倍に増えている。メタンや一酸化二窒素といった他の温室効果ガスにも同様の傾向が見られる。

(気象庁|日本の気候変動2025 —大気と陸・海洋に関する観測・予測評価報告書—より)

 

背景にあるのが人間の活動だ。例えば、工場で機械を動かしたりするために大量の化石燃料を燃やし、二酸化炭素を大気中に排出してきた。化石燃料の燃焼によって排出される二酸化炭素は、炭素の同位体である炭素13の割合が比較的低いが、大気中の二酸化炭素も炭素13の割合が低下している。このことから、化石燃料由来の二酸化炭素が大気中に多く加わっていることが分かる。森林伐採による二酸化炭素吸収量の低下や、農業・畜産業におけるメタンの排出なども指摘されているが、どれも人間の活動が関係している。

 

地球温暖化を抑えるためには地球に住む人間全員が力を合わせなければならない。しかし、国際的な協力が十分に進んでいなかったり、環境陰謀論が注目を集めていたりと、難題を抱えている。懸命に取り組んでいる国や人も多いが、温暖化は進むばかりだ。そんな中で「私が気にしたところで…」と思ってしまうときがある。友人にこう話すと、「やらない善よりやる偽善じゃない?」と返ってきた。一人ができる行動自体はたしかに小さいかもしれない。だが、それが積み重なれば大きな効果につながるはずだ。小さなことでも、偽善に思えるようなことでも、まずは行動に移してみよう。とりあえず明日は、車じゃなくて自転車で出かけてみようかな。

 

参考資料:

・気象庁 日本の気候変動2025—大気と陸・海洋に関する観測・予測評価報告書—

cc2025_honpen.pdf

・ippc 気候変動2013 自然科学的根拠 技術要約

 ipcc_ar5_wg1_ts_jpn.pdf