選手のプレー一つひとつに盛り上がるアルプス
(2026年8月11日筆者撮影)
試合開始のサイレンが鳴ると、甲子園球場はブラスバンドの音が鳴り響き、応援の声に包まれました。高校球児にとって憧れの聖地。そんな甲子園のアルプススタンドにも、この夏に思いを馳せる高校生がいました。
応援団として、生徒として
一際目立つ、赤いポロシャツに白い手袋、アルプス席を引っ張る応援団です。総勢18人。団員となるためには、学力や日頃の行いなど厳しい基準があり、その選考を乗り越えて初めて応援団としての活動を行うことができるといいます。
全国大会直前にある、「甲子園練習」では腕立て伏せを連続で300回もしたそうです。
中学3年生の時、初めて春の甲子園で応援をしたという岸本君は、「応援団は部活動じゃないけど、勉強と合わせて学校生活の一部みたいになっている」と語り、「応援団は高校2年生で引退となるから、この甲子園が最後になる。長く応援をしたい」と笑顔で話をしてくれました。
アルプスで応援する岸本君
(2026年8月11日 筆者撮影)
話を聞いている間にも、団員同士で情報を共有し、応援に駆け付けた方々に熱中症予防の声かけをしているところが印象的でした。
同じく応援団の山路君は、過酷な「甲子園練習」について「僕たちが先にバテていちゃダメ。それでは野球部を勝利に導く応援ができるわけがない」と真っ直ぐにグラウンドを見つめながら話してくれました。また、「野球には興味がなかったが、初めて全校応援をした時に楽しさに気づいた。甲子園での応援は地方大会とは規模が違う、めちゃくちゃ楽しい」。その思いを体現するかのような応援を見せていました。
大きな踊りと声で選手、アルプスを鼓舞する応援団
(2026年8月11日 筆者撮影)
1000人ほどの前で応援を行う応援団長の曽我部君は「強豪校と呼ばれるけど、野球部に勝ってもらって甲子園で応援ができる。やっぱり、特別な場所で学校を引っ張っれることは光栄だし、楽しい」と生徒の前に立ち、終始声を張り上げていした。
生徒の一体感、迫力に驚く
制服で一際大きな声を出す生徒たちが属す生徒会も応援を陰ながら支える大事な役割を果たしてきました。次にどの応援歌が流れるか、席の間を歩きながら大きな声で応援をリードしていた。
生徒会長の宮本君は「生徒会として甲子園に来たのは初めて。応援の一体感とか、歓声とか迫力はすごい」と話しました。
身近にいる野球部を応援したくて
高校野球ファンの中で、魔曲として知られている「ジョックロック」を演奏するブラスバンドは約80人。吹奏楽部の生徒によると、甲子園で流れる曲については「身近に頑張る野球部の応援をしたい」と自主的に練習する生徒が多く、全体練習は多くないと言います。
吹奏楽部に所属する女子生徒は「吹奏楽部に入部した理由は、新入生歓迎会でブラスバンドを見て憧れたから」と話します。また、「地方大会よりも甲子園はみんな声が出ていて、演奏が楽しい」とも話をしてくれました。
智弁和歌山名物、「C」の人文字
(2026年8月11日 筆者撮影)
目標は一つ
実際に甲子園でプレーする野球部だけでなく、応援団、生徒会、吹奏楽部など、アルプス席で声援を送る若者にとっても、甲子園は特別な場所でした。
野球部を勝利に導きたいという生徒。学校を代表して応援することに誇りを感じる生徒。憧れだった舞台で演奏することを楽しむ生徒。それぞれの思いは違います。それでも、最後の目標は一つ。「優勝」です。
選手たちのプレーだけでなく、その背中を押す応援席にも注目すると、甲子園をまた違った角度から楽しめるかもしれません。



