南禅寺の歴史に触れる

京都の東山エリアを代表する観光名所として、多くの人が訪れる南禅寺。その境内の中でも、レンガ造りの美しいアーチ橋「水路閣」と、四季折々の庭園が楽しめる「天授庵」をご紹介します。

 

  • 南禅寺

南禅寺は、1291年に亀山法皇が自身の離宮を禅寺へ改めて創建した臨済宗南禅寺派の大本山です。開山には中国・宋から渡来した高僧・無関普門が迎えられました。創建後は室町幕府から厚い保護を受け、「五山之上」という最高位の寺格を与えられ、日本の禅宗文化を代表する寺院として発展したとされています。現在も境内には三門、法堂、方丈をはじめ、多くの塔頭が点在しています。

 

  • 水路閣

赤レンガ造りのアーチ橋である水路閣は「琵琶湖疏水」の施設として建設されました。

水路閣

(2026年7月27日筆者撮影)

 

1888年、琵琶湖疏水分線が南禅寺境内を通ることになり、景観への影響を最小限に抑えるため、土木技術者である田邉朔郎の設計によってレンガ造りのアーチ橋として完成しました。全長約93.2メートル、高さ約9メートルという堂々とした姿は、130年以上経った現在も現役で水を運び続けています。

 

当時は歴史ある寺院の境内に近代建築を造ることへ反対の声もあったとされています。しかし完成後は、その美しいデザインが南禅寺の景観と見事に調和し、現在では京都を代表する風景として親しまれています。近代土木技術と歴史的景観が融合した建造物として高く評価され、日本遺産「琵琶湖疏水」の構成文化財にも位置付けられています。

 

水路閣最大の魅力は、美しいレンガアーチが連続する景観です。アーチの下から見上げると、奥へと続く規則正しい曲線が印象的で、写真映えするスポットとしても人気があります。

美しいアーチの連なりが特徴的

(2026年7月27日筆者撮影)

映画やドラマ、CMなどのロケ地として利用されることも多く、国内外の観光客に親しまれています。

 

 

  • 天授庵

水路閣から歩いてすぐの場所にある天授庵は、南禅寺を代表する塔頭の一つです。塔頭とは、高僧の墓所を守るために建てられた小寺院のことで、南禅寺には現在も多くの塔頭が残されています。

 

天授庵

(2026年7月27日筆者撮影)

 

天授庵は1339年、南禅寺を開山した無関普門の塔所として、室町幕府初代将軍、足利尊氏が建立しました。しかし応仁の乱で焼失し、その後、戦国時代の武将であり歌人としても知られる細川幽斎によって再興されています。寺宝には非公開ながら重要文化財細川幽斎夫妻の肖像画と重要文化財長谷川等伯襖絵32面があります。水路閣と天授庵は徒歩数分の距離にあり、合わせて散策することで南禅寺の魅力をより深く感じられます。

 

水路閣では明治時代の近代化を象徴するレンガ造りの建築美を堪能し、天授庵では日本庭園の美しさを味わうことが出来ます。わずかな距離の中で数百年にわたる京都の歴史を体感できるのは、このエリアならではの魅力です。

 

連日厳しい暑さに見舞われていますが、美しい緑や庭園を鑑賞することで心が癒されました。京都観光で南禅寺を訪れる際は、南禅寺と同時に水路閣や天授庵にも足を運び京都の歴史を堪能してみてはいかがでしょうか。

 

 

参考サイト

 

そうだ京都、行こう。 https://souda-kyoto.jp/guide/spot/nanzenji-tenjuan.html

 

南禅寺 https://nanzenji.or.jp/about_rinzaishu/history

 

京都府観光ガイド https://www.kyoto-kankou.or.jp/info_search/173

 

びわ湖疎水船 https://biwakososui.kyoto.travel/midokoro/208