Police Fesで覗く、人々の生活を守る仕事

7月18日、神奈川県警が主催する「Police Fes 2026」を訪れました。会場となった神奈川県警察学校では、普段はなかなか目にすることのできない警察車両や装備に直接触れながら見学できるほか、あらゆる領域の警察業務を体験できる催しとなっています。子連れの家族から警察への就職を志す人まで、来場者の顔ぶれも多彩でした。

※以下の写真は許可を得た上で撮影しています。

 

イベントは講堂での県警音楽隊によるコンサートで幕を開けました。誰もが知るディズニー曲から『名探偵コナン』のメインテーマ、「The Jazz Police」まで、名曲の数々がオーケストラで演奏され、その完成度と迫力に圧倒されました。

(7月18日、筆者撮影 オープニングセレモニー準備中の様子)

会場の流れに乗って進むと、白バイのテクニカル走行パフォーマンスに行き当たりました。青い制服に身を包んだ隊員たちが光る車体を巧みに操り、予想以上のスピードで目の前を往復しながら蛇行し、すれすれのすれ違いや高速回転までやってのけます。その技術力の高さもさることながら、素直に「格好いい」と思わされる光景でした。実際に白バイに跨れるコーナーもあり、まずその大きさに驚かされます。気になっていた後部ボックスの中身を尋ねてみたところ、取り締まりの際に使う各種の道具が入っているそうです。

(7月18日、筆者撮影 白バイ)

車両展示では、ほかにも興味深いものに出会えました。高性能救助車(メルセデス・ベンツ「ウニモグ」)は、風水害などの災害現場で活動する車両で、水深120センチまで走行できるといいます。それを裏づけるように車高はとてつもなく高く、乗り場は地上3メートルの高さにありました。実際に乗り込んでみると、ドアにたどり着くまでに何段も上らねばならないことや、内部の広さに驚かされます。日頃この車両で救助活動をしていることがうかがえ、車内のあちこちに道具が備えられていました。

(7月18日、筆者撮影 高性能救助車)

救命ボートの操舵体験では、救助を求めている人を助ける想定でボートを漕ぐ体験ができただけでなく、県警が各地の災害現場に救助隊を派遣していることも知りました。能登半島地震の発生後、神奈川県警は広域緊急援助隊を現地に派遣し、珠洲市内で救助活動にあたったといいます。その後も交通・刑事・生活安全・地域といった各部隊を派遣し、被災地での交通規制やパトロールを続けているそうです。都道府県ごとに分かれている警察が、横のつながりで互いの穴を埋め合っていることを初めて知り、警察組織の強固さや信頼性を改めて感じました。

(7月18日、筆者撮影 広域緊急援助隊のパネル)

珍しいところでは、要人警護などに使われる警備警察車も見学できました。担当する方々から車両の説明を受けながら実際に席に座ることができました。特に印象的だったのは、窓から身を乗り出して声をかけることがあるためドアの窓際に傷が多いという話です。夏の灼熱の日差しが降り注ぐ中でも、隊員たちがきっちりとスーツを着込んでいた姿には頭が下がりました。

(7月18日、筆者撮影 警備警察の車両展示)

屋内にも回りきれないほど多くのブースが並んでいました。サイバー犯罪捜査体験、科学捜査体験、職務質問体験などを回るなかで、特に印象に残ったのは鑑識と違法薬物・けん銃事件の捜査体験です。

鑑識体験では指紋検出と足跡検出をしました。ドラマでよく見る「ポンポン」を使う方法ではなく、砂鉄が付着する専用のペンを使って指紋を浮かび上がらせる方式で、自分自身の指紋を目にしたのも初めてなら、鑑識担当者が普段どのように指紋を採取しているのかを知れたのも新鮮でした。足跡検出では専用のライトと足跡を保存するシートを使った実演を見せてもらい、その作業の繊細さと、見落としを防ぐ注意深さに驚かされました。

違法薬物・けん銃事犯捜査体験では、日頃から薬物や銃器の取り締まりにあたる捜査員の説明を間近で受けながら、防刃チョッキや防刃手袋を身につけたり、金属探知機を使った身体検査を体験したりしました。薬物の簡易検査キットを使ってどのように薬物を検出するのかも実際に見ることができました。

(7月18日、筆者撮影 指紋検出体験)

日々進化する科学と、自らの経験や知識を駆使して捜査にあたる警察官の姿には、深い尊敬の念を抱きました。会場で接した警官の方々はみな物腰柔らかで、丁寧に応対してくれ、普段は危険と隣り合わせの仕事に従事しているとは思えないほどの穏やかさと親切さが印象的でした。何より驚いたのは、来場者が会場から出ていく際、ブースにいた警官の方々が門までの道の両側に並び、最後まで拍手で見送ってくれたことです。拍手を送りたいのは、むしろこちらの方でした。

日ごろ街の治安を守ってくれている警察には言葉で尽くせないほど感謝しています。ですが、現実には捜査機関へ厳しい視線が向けられることや、批判の的にされるのを目にすることも少なくありません。しかし実際に警察学校を訪れ、自分の目で見たそこには、まぎれもなく県民の日常を守り続けているヒーローたちの姿がありました。

当たり前のようでいて、決して当たり前ではない。そんな日常を支える人々の努力を、もっと社会に知ってもらえるようなイベントがこれからも増えてほしいと思います。そして今あるこうした取り組みがさらに大きく育ち、社会を支え合う人々が互いに感謝し合えるような社会になればと願っています。