日本人の旅行者数の増加 パスポート手数料の割引や原油価格高騰はどう影響する?

5月16日は旅の日です。1689年の旧暦3月27日(現5月16日)に松尾芭蕉が「おくのほそ道」の旅に出たことにちなみ、300年後の1988年に日本旅のペンクラブが制定しました。

日本人の国内旅行者数は2021年頃のコロナ禍以降、増加傾向にあります。国土交通省・観光庁の調査によると、25年は延べ5億5313万人が旅をしており、このうち宿泊旅行者は2億9997万人、日帰りは2億5316万人となっています。ここでの旅行とは出かけた先の活動内容にかかわらず、日常の生活圏を離れた場所に出かけることと定義されています。

25年の日本人の国内旅行での消費額は26兆7845億円と、前年度よりも6.5%増えました。旅行内容で見ると、当然ながら日帰り旅行よりも宿泊旅行の割合が高く、宿泊旅行消費額が21兆7211億円、日帰り旅行は5兆634億円となっています。

さらに旅行支出を見ると、旅行者1人の1回あたりの旅行金額は4万8424円で、宿泊が7万2412円、日帰りは2万円となっていました。行先や滞在期間などはさまざまですが、宿泊、日帰りとも支出額は考えていた以上に高い印象を持ちます。

大阪国際空港で離陸の準備を進める飛行機(5月2日、筆者撮影)

 

海外旅行者についても21年から増加傾向にあり、25年の旅行者は1473万人となっており、今年は3月現在で368.5万人の人が出国しています。日本政府観光局(JNTO)では22年までの各国の日本人訪問者数ランキングを公開しており、1位はアメリカ、2位は韓国、3位はベトナム、その後にドイツ、シンガポール、フランスと続きます。

日本の玄関口である成田国際空港(2025年8月21日、筆者撮影)

 

近年の日本人海外旅行者の動向はどうでしょうか。各旅行会社の統計を見ると依然としてアメリカへの旅行者は多いものの身近に感じる韓国や台湾、ベトナムなどのアジア圏も多いことが分かりました。筆者はアジアの中では韓国に4回、台湾に1回、ヨーロッパではスペイン、ドイツ、ベルギー、アフリカではガンビア、セネガルなどの国を訪問しています。

セネガルにあるブレーズ・ジャーニュ国際空港(2月11日、筆者撮影)

 

海外旅行で必要なパスポートは26年4月の旅券法改正によって、7月から申請手数料が大幅に下がることになります。18歳以上で10年間のパスポートのオンライン申請をする場合は1万5900円が8900円に44%引き下げられます。窓口での申請は9300円ですから、オンラインの方が400円安くなっています。これ伴い18歳以上の5年間パスポートは廃止されます。さらに18歳未満や12歳未満の5年用パスポート手数料もそれぞれ引き下げられることになりました。

パスポート費用の引き下げで海外旅行へのハードルが下がった一方で、アメリカとイランの戦争のあおりで起こった原油価格の高騰問題は深刻です。各航空会社では国際線だけでなく国内線でも燃油サーチャージと呼ばれる特別付加運賃の導入が検討されるなど、世界的に原油の供給が不安定な状態が続き、旅行にも影を落としています。それでなくても、外国への旅であれば向かう地域の治安や金銭面の不安があり、島国である日本だからこそ海外渡航への意識的な難易度が高くなるのは否めません。

向かう場所の歴史や文化の違い、旅行の予約時期・時間帯をよく調べて計画を立てるなど、工夫を凝らしながら旅行を計画してみてはいかがでしょうか。

 

参考文献:

2026年4月22日付 読売新聞オンライン ANAが国内線「燃油サーチャージ」、27年度導入検討…燃料高が大幅な収支悪化招くと判断

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20260421-GYT1T00424/

2026年4月24日 日経電子版 パスポート手数料44%下げ8900円 7月から、大人は期間5年廃止

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA227KJ0S6A420C2000000/

 

参考資料:

JNTO 日本における海外旅行を調べる

https://statistics.jnto.go.jp/graph/#graph–Japanese–Ranking

国土交通省 官公庁 旅行・観光消費者動向調査 2025 年間値(確報)

https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001981854.pdf

e-Gov 法令検索 旅券法

https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000267