石油とその日常 これからの世界情勢に合わせて

最近、日用品の買い物をすると想定の金額を超えてしまう、と感じている方は多いのではないのでしょうか。筆者も実際、自販機で買うペットボトル飲料やガソリン代で値上がりを実感しています。

この変化は、多くの方々が感じている通り、現在の国際情勢が大きく関係しています。日本は地下資源、特に原油の生産がほとんどありません。そのため、原油の輸入量はとても多く、そしてその9割がホルムズ海峡を経由しています。その結果、原油の輸入が難しくなりつつあるのです。

原油を元にした石油化学製品はそろって価格が跳ね上がっています。4月9日の朝日新聞では、日用品の値上げ状況を一覧表にしました。そこでは生活になくてはならないガソリンや洗剤を中心に幅広い製品における今後の値上げ予想や求められる対策が示されています。

 

では、私たちが日常的にできる石油化学製品を使いすぎない方法、値上げや供給制限への対処策は何が考えられるでしょうか。

これは、半世紀近く前に世界を揺さぶったオイルショック時に唱えられた「省エネ」という考え方につながるかもしれません。1979年に省エネ法が導入されたことで、工場などエネルギーの消費量が大きい工場などを対象に広がっていったのが省エネです。そして、消費者はこれらの考え方のもとで生まれた製品を使うことでエネルギー消費量を抑えることができることになります。

 

この考え方を生活に反映させるには、以下の実践が求められます。

・エアコンのフィルターをしっかりと掃除する

・カーテンで直射日光が室内に入ることを避ける

・不要な照明を消す

・冷蔵庫の中に物を入れすぎない

・テレビ画面の明るさを下げる

・洗濯するときは容量の8割を目安に少ない回数で洗う

・待機電力を抑える

多くの人が日頃から心がけている当たり前の内容かもしれません。しかし、細かい積み重ねによってさらに効力を増します。そのため、少しずつ暖かくなりつつあるこの季節にこそ重要な省エネ策といえるでしょう。

 

一方、国内では油を新たに生成する技術開発が進められています。

2024年の時点で廃プラスチックの処理法は、サーマルリサイクルと呼ばれる焼却による熱エネルギーの回収がメインとなっています。また、ペットボトルなどでは、同じ種類の廃プラスチックを集めて、素材の性質を変えずにリサイクル製品を作る方法もあります。ですが、これらは完全な循環とはいえいません。

そこで、新しくプラスチックやガソリンを作り出す方法として、ケミカルリサイクルが提案されています。廃プラスチックを再度分解して、新しく油を生成する技術です。難点はコストが高いことで、2024年に全体の3パーセント程度にしか使われていません。循環のためのコストを抑えるには、処理の規模を大きくすることが求められますが、どうしても時間がかかってしまいます。とはいえ規模が本格的に拡大すれば、資源の確保ができるようになります。輸入原油への依存を減らし、日用品の値上げを少しでも抑えるためにも、ケミカルリサイクルによる油の循環の実用化が進むのではないでしょうか。

 

社会情勢が変化することで人々の行動は変わりますが、環境を守るための実践はどんな状況でも不可欠となっています。

 

参考文献:

・2026年4月9日付 朝日新聞(大阪)3面 「中東原油頼み 日本の現実」

・2026年4月8日付 読売新聞(大阪)13面 「廃プラから油再生 本格化」

 

・2018年1月11日 経済産業省資源エネルギー庁エネこれ 「省エネ大国・ニッポン ~省エネ政策はなぜ始まった?そして、今求められている取り組みとは?~」

https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/tokushu/ondankashoene/shoenetaikoku.html

・2022年8月8日 経済産業省資源エネルギー庁エネこれ 「どうやったら節電できる?明日からすぐに役立つ節電・省エネのヒント」

https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/setsuden_tips.html