ついに大学の卒業式が終わりました。住み慣れた京都を離れ、東京の新たな部屋でこの原稿を書いています。私があらたにすの学生スタッフとして活動したこの2年間で、新聞を含むメディアは大きな岐路に立つことになったと感じます。
選挙の結果にSNSが大きな影響を与え、新聞やテレビなどのマスコミを「オールドメディア」と呼ぶ投稿を目にすることが多くなりました。生成AIが急速に普及し、紙媒体のデジタルシフトも加速しています。特に若い世代の新聞離れをどうするかは喫緊の課題です。あらたにすのスタッフは、朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞電子版を読んできました。そのなかで、新聞の良さを再確認することができました。
忙しさで隅々まで目を通すことができなかった日もありますが、1面の一番大きな見出しだけでもちらっと見ると、どんなニュースが大事なのか知ることができました。このように何が重要なニュースかを新聞が「価値判断」し、記事の大きさで示してくれていることで、私たちは最も知っておくべきニュースを知ることができます。また、パッと見てわかる「一覧性」も紙の新聞の長所の一つとしてよく挙げられます。
「興味がないことを知れる」ことも紙の新聞が持つ長所の一つと言えます。インターネットでは自分の知っている単語しか検索できません。また、SNSのおすすめは、アルゴリズムによって自分用にカスタマイズされているため、興味のある情報以外はあまり入ってきません。それは心地良いものですし、私もよくSNSを見ます。しかし、新聞を読むと、例えばスポーツや文化、行ったことのない地方の話題など、自発的な検索では見つけられない面白い情報に出会うことができました。デジタルの新聞でも、検索履歴によらないシステムを用いて、この特長を継承しているそうです。
このように良さはたくさんありますが、新聞そのものが「偏向している」というレッテルを貼られてしまっている現実があります。誤報やメディアスクラム、戦争への加担など、負の歴史はもちろん忘れてはいけません。検証やファクトチェックを徹底したり、取材する記者の気持ちや取材のプロセスを伝えたりするなど、今までのようなファクトの積み重ねにプラスして、新たな伝え方を模索することがより必要とされていると感じました。
無料で情報を得られる時代ですが、コストをかけてプロの記者が取材しているからこそ、新聞の情報には信頼性があります。この部分をよりアピールしていくのが良いかもしれません。一発逆転となるようなアイデアはなかなかないでしょうが、新聞社やマスコミがこれからどのような策を打つのかは、一読者として気になるところです。
卒論の調査では、主権者教育に新聞が活用されていることを知りました。デジタル機器の使い方を教えるだけでなく、よりよい情報の見つけ方、加えて新聞の読み方などを学校でも教えられたら、新聞に興味を持つ子供も増えそうです。NIE(教育に新聞を)の活動にも注目しています。
今回の記事をもってあらたにすを卒業します。記事を読んでいただき、ありがとうございました。執筆や取材などの貴重な経験を通して、多くのことを学びました。4月からの社会人生活でも、新たな発見を楽しみながら過ごしていきます。