LGBTQ そんな分類にクエスチョン

自分らしさは誇らしさ。

この一言を表紙につけて、埼玉県獨協大学の学生がゼミ活動の成果として、LGBTQの人びとについての冊子を作ったという記事が、今日の朝刊に載っていました。これまであらたにすでも、性的マイノリティと言われる人びとに関する話題は幾度となく取り上げてきましたが、大規模な活動ではなく、学生のゼミ活動のような小さな催しが取り上げられることはなかなかなかったのではないでしょうか。

それに加えてこの冊子、なんと高校生に向けられたものなのだそう。これまでに多く見られた性的マイノリティの方々への理解を深めるための取り組みで、20代よりも若い世代に向けられたものはあまり見かけたことがありません。けれども、特定の人物と同じ空間で長期間過ごす高校生活のことを考えると、人間関係の入れ替わりが激しく選択の自由も効く社会人に対する活動とはまた別の意味で重要なことだと思います。根本的にLGBTQの存在を知らない、どころか思春期という時期に差し掛かって自分がそうであると本人も気付き始めて戸惑う、そんな高校生にぜひ知ってほしい冊子ですね。例え理解ができなかったとしても、知っているだけで違うこともたくさんあるでしょう。

さて話は少し変わりますが、皆さんはLGBTQという略称、それぞれが何の頭文字をとったものかわかりますか? Lはレズビアン(女性同性愛者)、Gはゲイ(男性同性愛者)、Bはバイセクシャル(両性愛者)、Tはトランスジェンダー(心と身体の性が一致しない人)を指しています。

ここまでは私も知っていたことだったのですが、この記事で初めてQ、クエスチョンという名前を知りました。記事によると、心の性や好きになる性が定まらない人、ということのようです。少しわかりづらいかもしれませんが、ちょっと身近な感覚で言い換えると「迷ってるけど決める必要もないとも思う」とか、「自分が何なのかはっきりしていない」という状態の人。性自認に関する問題は本人の考え方の問題と直結しますから、「自分が男だとも思うし女だとも思う」という人もいれば「どちらでもない」と思っている人もいるし、「性別なんてどちらでもいい、好きになった人が好き」というような人もいます。愛した相手に性欲を抱かない、恋愛感情を持たない人(アセクシャル、無性愛者)だっています。

地球上には75億人も人間がいます。異性愛者しかいない、という方が不思議な話でしょう。現在LGBTQなんて分類がつけられてしまっていますが、本当はこんなふうに分類される必要なんてないのかもしれません。

参考記事
23日付 朝日新聞朝刊(大阪13版) 28面(教育) 「LGBTQ知る一歩」