新年度が始まり通学や通勤で電車を利用する人が増えたと思います。電車通学の筆者が気になっていたのが、駅や踏切に設置されている青色のライトです。そこで調べてみました。
この照明には鎮静効果があり、自殺防止のために設置されているといいます。2009年にJR東日本は山手線に導入し、その後中央線にも設置しています。筆者が見た踏切の青いライトの下には自殺防止を呼び掛ける看板も設置されていました。
警察庁によると24年の自殺者の総数は2万320人で、男女比は男性が1万3801人、女性が6519人と、男性が女性の倍以上多くなっています。年代層は50代の3799人が最多となっていました。また月別では4月の1903人が最も多くなっており、新生活や新たな環境への不安も大きな理由だと考えます。
公開されている1978年からの推移を見ても自殺者は女性よりも男性が多くなっていることが分かります。自殺に至る原因や動機は、主に家庭問題、健康問題、経済・生活問題、勤務問題、交際問題、学校問題、その他に分類されています。このなかでは健康問題での自殺者の数が目立っています。
小中高生の自殺者は、男性が2021年から減少傾向にあるのに対して女性は増加傾向にあります。前年度の自殺者が529人で女性が290人、男性は239人と女性が上回りました。80年からの統計でこの総数は過去最多となっています。
2006年には自殺対策基本法が施行され、個人の問題として考えられていた自殺が社会の問題として捉えられるようになりました。10年後の16年に基本法が改正され、都道府県・市町村で自殺対策計画を定めることになりました。
さらに22年には厚生労働省が自殺対策の指針として「自殺対策総合大綱」が閣議決定されています。この大綱は5年に1度見直しされており、子ども・若者の自殺対策や女性の支援など強化の推進が付け加えられました。自殺を防ぐためには要因となってしまう環境の改善や周りの人々の補助が重要になると考えます。今後、駅や踏切を利用する際には青いライトを気にかけながら生活したいと思います。
参考文献:
読売新聞オンライン 2025年3月28日付 2024年の小中高生の自殺者数、529人で過去最多…女子が初めて男子を上回る
https://www.yomiuri.co.jp/national/20250328-OYT1T50083/
朝日新聞デジタル 2025年4月21日付 小学生の自殺率、4~6月の増加目立つ 学校始まるストレスと関係か
https://www.asahi.com/articles/AST4H35FPT4HULLI00LM.html
参考資料:
警察庁 令和6年中における自殺の状況
https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/jisatsu/R07/R6jisatsunojoukyou.pdf
厚生労働省 自殺対策基本法の一部を改正する法律 概要
厚生労働省 自殺対策について
e-gov 法令検索 自殺対策基本法
https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0100000085