24日付の朝日新聞朝刊は、23日東京株式市場で、史上初となる日経平均株価6万円台に達したと報じました。これだけを見れば、アメリカのイラン攻撃による中東情勢の混乱の影響は感じられません。しかし、私たちの日常生活には色濃く影を落としています。最も顕著に表れているのは物価でしょう。実際、昨年までは286円だった学食のかけうどんが、この4月からは308円になったり、特売日には、98円で買えていた山崎製パンの「まるごとバナナ」が300円近くになったりと、自分へのご褒美は遠ざかるばかりです。
停戦延長の一方で、継続されるホルムズ海峡の封鎖は、医療物資の不足やガソリン価格の高騰などその影響が少しずつ見え始めています。そんな中で、我々大学生にとって深刻な問題が浮上してきています。
それは、「就職氷河期が再来するのではないか」というものです。
就職氷河期とは、バブル崩壊後の1990年代から2000年代にかけてのバブル崩壊で経済が不安定になったことで雇用が急減し、当時の学生が厳しい就職難に陥ったことを指します。現在の40代から50代の人々は人生において大きな打撃を受けました。この現象が、今回の戦乱による影響で再び起こるのではないかと言うのです。
ある授業で先生が「なぜ日本では石油の使用控えが政府主導で行われないのか」といった疑問を投げかけました。政府には、表立っては表明できないが入手できる見込みがあるのか、それとも備蓄を少しずつ出していくことで補えるという見込みであるのか、その立場は曖昧だとも指摘しました。政府がどのような見通しをもっているのかは分かりませんが、先に触れたように少なからずその影響が明らかになっていることは確かです。
また、この授業の中で「今後、イラン情勢が就職に影響を与えると思うか」というアンケート調査があり、ほとんどが「影響がある」と回答していました。このように、我々学生は、この状況に対して危機感を抱きはじめています。
石油や船舶輸送関連の業界は、確実に影響を受けるだろうし、関係がないように見える事業分野も、原材料の調達難や輸出市場の縮小などの連鎖的な影響を受けうると考えられます。
情報源であるマスコミもその結末は知らないし、SNSには様々な情報があふれるばかり。今後を見通すことは難しくなるばかりです。確実ではない業界の将来性について、現分析と今後の予測から自分なりの答えを出して、エントリーするのが就活です。さらに、不確実性が増す現状は、就活生には大きな障壁となります。
就職活動は、まだまだ実社会を知らない我々大学生にとって、初めて社会ときちんと向き合う機会とも捉えられます。動き出した矢先「就職氷河期の再来かもね」と大人から言われるという状況で、どのように自分の将来を切り開いていくべきなのか。悩みの種は増えるばかりです。
これまで就職氷河期が再来するかもしれないと述べてきましたが、本当に訪れるのかは誰にも分かりません。ですが、「売り手市場でいいね」なんて言われる昨今の状況でも、我々は、買い手市場の時の先輩たちと同じく、精一杯努力し、もがき苦しんでいます。「今の若いやつ」も世界に目を向けていること、情報を収集、解釈し、将来と真剣に向き合っていることを知ってもらいたいと思います。
就活が現実のものとなった大学3年生は、スタートから泥沼にはまってしまいました。
皆さんは、今後の世界や日本がどのような動きを見せると考えているでしょうか。社会の先輩からの助言は、まだまだ社会を知らない就活生にとって、これまでになく大きな意味を持つことになるでしょう。
参考記事
4月24日付 朝日新聞朝刊(大阪14版)1面「東証一時初の6万円台」
4月24日付 読売新聞朝刊(大阪13版)2面「停戦延長 期限設けず」