「男女平等」は実現されているのか

先週末には大学共通テストが実施され、本格的な受験戦争が始まりました。3年前は解けていたであろう問題に今や手も足も出なくなってしまった現実にがっかりしながら、高校までと大学での学びの違いについて実感しました。受験のためだった高校時代とは異なり、大学では自ら論点を探し探求していく、そういった主体的な学びが求められていると思います。

 

そのような中で、「男女平等はすでに達成されているか否か」というテーマでディスカッションをする機会がありました。筆者は、既に「達成されているに賛成の立場」割り振られたため、どのように主張をしていけば良いのかチームのメンバーとかなり頭を悩ませました。

 

昨年度発表された「ジェンダーギャップ指数」においても、日本は148か国中118位と先進国として決して高い順位ではありません。特に、政治参画の評価は平均を下回っていました。ですが、昨年女性初の内閣総理大臣が誕生したようにそれは改善の傾向にあるのかもしれません。1月17日付の朝日新聞朝刊は、先日行われた日伊首脳会談について、メローニ首相と高市首相が笑顔で写る写真とともに報じていました。双方トップが女性で、将来を見据えた意見交換をする、そんな光景が現代では当たり前のことになりつつあるのでしょう。

 

日本では緒についたばかりの政治的男女平等ですが、世界ではこれまでも「鉄の女」と言われたイギリスのサッチャー首相やドイツのメルケル首相など、女性のトップが社会を動かしてきました。数こそ多くないにしても、その功績において多くの男性政治家より影響力があったこともあるでしょう。ただ、政治的な分野は各国での課題となっているのでディスカッション主張として十分ではないと判断し、制度的な視点や論点の逆転など新たな発想から主張を練っていきました。

 

例えば、近年欧米圏で特にみられる動きの一つに全国民への徴兵制の導入です。これについては、ノルウェーの取り組みが最も先進的であると思います。ノルウェーは、先に紹介したジェンダーギャップ指数が世界第3位と男女平等がほぼ実現している国であると言えます。この国では、2015年から男女どちらも徴兵制度が適用されることになりました。ここで驚くのは、徴集兵が暮らす部屋もシャワーやトイレも男女兼用であるという点です。徴兵制の男女平等が実現した背景には、女性の志願兵が増加したことがあったようです。

 

こうした実践を調べていくうえで、新たな捉え方として先生から「前時代はある意味で男女平等が達成されていたのではないか」という視点がしめされました。つまり、昭和時代など夫が外へ出て働き、妻が家事・育児を行っていた時代は捉え方によっては平等であったのではないのかというのです。そこで注目すべき点はパワーバランスです。外で働いている夫には、家の外での力があり、家の中で働く妻には、家の中で力を持っているという理屈です。確かに、どこに何があるのか、今日は何を食べるのかなど、いくら亭主関白でも家のことは妻主導で構成されているなら、この考え方もできなくはないと思います。

 

このような転換の発想を用いて、アファーマティブアクションの必要性について考えました。公共交通機関での女性専用車両の設置や受験での女子枠など一見すれば男女平等のための積極的な姿勢を示しているように思えます。ですが、一方で男性が生きづらくなる側面も否定できません。また、筆者の所属する学部では女子枠は設定されていませんが、男女比はほぼ半数となっています。

 

ここから、積極的な政策が必ずしも直接的な問題解決につながっているとは言えないという現実に行きつきました。女性が社会で生きづらさを感じていることばかりに目を向けがちですが、男性も同じように感じていることもあります。確かに、女子の方が大学への進学率が低い、理系を選択しないなど教育面での格差があることは事実です。ただ、こういった格差に対しては、表面的な政策が実施されるだけで、その理由には焦点が当てられていないのではないでしょうか。

 

男女平等が実現しているとするチームにいる筆者にとって、説得力のある主張を展開は容易ではありませんでした。ただ、今回この論点を考えるうえで、世界レベルでは達成される見通しがある分野が少なくないこと、そして「なぜ」の部分が十分に論じられていないことを実感しました。

 

捉え方によってその課題の見え方も変わってきます。そういった多様な視点から検討することの必要性に気づいた、主体的な学びであったと思います。皆さんは、筆者と同じ立場になったときどのような主張を試みるでしょうか。一度考えてみると、新たな発見があるかもしれません。

参考記事

朝日新聞 1月17日付 朝刊(大阪13版)3面 「日伊 経済安保で連携強化へ」

 

参考資料

男女共同参画局

https://www.gender.go.jp/international/int_syogaikoku/int_shihyo/index.html

The Asahi Shinbun GLOBE+

https://globe.asahi.com/article/15710198