将来、リニア中央新幹線が東京から大阪までを繋ぎます。第1段階では品川駅と名古屋駅を富士山の北側を通って結び、両都市間では最速の交通手段となるでしょう。
先日長野県長野市を訪れた筆者は、リニアに関する情報の多さに驚きました。長野県の駅の予定地は、松本市よりもさらに南にある飯田市のJR東海の元善光寺駅と伊奈上郷駅の間です。駅舎デザインに関するプロジェクトが動き出したことが信濃毎日新聞で報じられていました。同様に様々な地域で進展がみられています。
乗り換えの距離 各駅による違い
とはいえ、実際にそれぞれの駅の立地を調べてみると、近隣の駅までに距離があるところも少なくありません。
リニア中央新幹線の出発点は品川駅ですが、ホームの階層は地下5階、改札階は地上2階と距離がかなり遠く、乗り換えに時間がかかるのは間違いないでしょう。対策のために多くのエレベーターやエスカレーターが設置される予定です。
次に停車予定の神奈川県駅では、近くにJR横浜線や京王相模原線があり、乗り換えがある程度迅速に行うことができます。
3つ目は山梨県駅です。甲府市の南部に置かれる予定となっており、最も近いJRの駅は小井川駅となっています。ですが、最短でも約3kmの距離があります。このため、リニア本線のそばにある緩衝帯を専用道としてシャトルバスを運行予定です。これにはシャトルバスの整備費用などがかかります。乗り継ぎにバスを使うことで、不便と感じて避ける人が出るのではないかと気になります。
4つ目が長野県駅です。近くには在来線のJR飯田線が走りますが、在来線の駅を新設して繋げる予定はなく、最も近い伊那上郷駅まで徒歩では30分程度がかかります。今年の4月には下伊那郡地域と飯田市や長野県との意見交換会でバスの検討なども話し合われていますが、具体的な決定には至っていないようです。電車移動を考えると、接続が問題となりそうです。
5つ目の駅は岐阜県駅です。ここは、JR中央本線の美乃坂本駅に隣接しています。神奈川県駅同様に徒歩で乗り換えられることでしょう。
6つ目の駅は名古屋駅です。これは品川駅同様、元からある駅の地下部分を駅にする構想となっています。地下30~40メートルと品川駅同様の深さになる予定です。
山梨県駅、長野県駅は乗り継ぎのために何かしらの代替交通手段が必須です。もちろん、リニアは新たな交通手段として注目され、近隣の観光事業などもより賑わうことが予想されています。しかし、他の地域に行くのが難しかったり、車が無いと動けなかったりする環境であると、来る人も限られてくるのではないでしょうか。また、地元住民の方も利用しにくくなるのではないでしょうか。
長野県の近隣地域との意見交換会のような、多くの人が利用しやすくなるための道筋を常に模索する必要があると考えられます。
【参考文献】
2023年12月20日 日本経済新聞オンライン 「リニア品川駅、ホームは地下5階 乗り換え最短3分に」, https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD197RP0Z11C23A2000000/
JR東海 リニア中央新幹線ホームページ, https://linear-chuo-shinkansen.jr-central.co.jp/
リニア中央新幹線の工事計画, https://company.jr-central.co.jp/chuoshinkansen/routemap/
リニアでつながるまち, https://market.jr-central.co.jp/lineartown/
山梨県 公共交通によるリニア駅と既存駅頭とのアクセス向上, https://www.pref.yamanashi.jp/documents/89548/arikata2.pdf
信濃毎日新聞 「県駅の外観デザイン3案提案」(2026年9月9日紙面掲載)
信濃毎日新聞 リニア長野県駅、JR飯田線との接続は? 下伊那郡の町村が飯田市・長野県と意見交換, https://www.shinmai.co.jp/news/article/gf01d7fm5e4hu9qn9evfid80(2026年4月16日掲載)


