石油価格の高騰が止まらない ホルムズ海峡の封鎖は続くのか

先週からガソリン価格は上がり続け、1リットル200円台突入も見えてきました。原因はアメリカ・イスラエルによる攻撃へのイラン側の対抗策、ホルムズ海峡の封鎖です。この海峡は世界の石油の約4分の1が行き来する重要な海路ですが、先月末からタンカーが通れない状況が続いています。中東の各産油国では貯蔵に限りがあるため、原油の生産も減らさざるを得ません。今後、石油危機のような事態に陥ってしまうのでしょうか。

上がり続けるガソリン価格(16日、埼玉県にて筆者撮影)

海峡封鎖の主な手段は「無人航空機」や水中の地雷である「機雷」です。イランは軍事協力をするロシアに無人機を供与していたこともあり、こうした技術を進化させてきました。機雷や無人機を検知することは難しいため、封鎖が終わらない限りタンカーの通行を見込めません。

トランプ大統領は船舶の護衛支援を進め、海峡の航行を続けるよう呼びかけています。船舶護衛は日本を含む関係各国に呼びかけられていますが、今日、小泉防衛相が「現時点で自衛隊派遣は考えていない」と述べたとの報道もありました。日本が輸入する原油の8割は海峡を通過しており国民生活を脅かす事態ではあるものの、イランは半ば無差別攻撃に近い状態で機雷を敷設している模様で、集団的自衛権の行使は難しいという状況です。

このような事情を踏まえて、備蓄石油の放出が始まりました。約8カ月分の在庫を取り崩すもので、東日本大震災やウクライナ侵攻による原油価格の高騰の際にも実施されました。その目的は価格を下げることではなく、石油の安定的な供給の確保です。さらに、19日からはガソリン補助金を復活させて、170円を超えないようにする方針だといいます。

車を所有していない学生はガソリン価格を気にすることはあまりないのですが、スーパーマーケットの総菜のトレーやポリ袋、洗剤など石油製品は身の回りにあふれています。原油価格を下げるにはホルムズ海峡の通航の正常化が欠かせません。米国は23年、紅海で商船攻撃が活発化した際も有志国に船舶護衛を求めましたが不調に終わっています。今回はどれほどの国が参加するのか、目が離せません。

 

 

参考記事:

 

16日付朝日新聞デジタル トランプ氏、約7カ国に派遣要求 日本など念頭 ホルムズ海峡めぐり(https://digital.asahi.com/articles/ASV3J14B9V3JUHBI00DM.html)

16日付朝日新聞デジタル トランプ氏、中国巻き込む場当たり対応 ホルムズ派遣に各国は及び腰(https://digital.asahi.com/articles/ASV3J42P1V3JUHBI021M.html)