震災15年、被災地の再生と語り継ぐ記憶

3月11日、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)から15年が経ちました。 発生当時、小学1年生だった私は、学校から帰宅してすぐ激しい揺れに襲われました。住んでいた東京でも大きな揺れを感じ、強い恐怖を覚えた記憶があります。テレビに映し出された津波の映像には、幼いながらも衝撃を受けました。

今年の3月11日付の朝刊各紙も、震災関連の記事が紙面を埋め尽くしました。 例えば、朝日新聞の連載「千人の声」は、毎年この時期に被災者の経験や言葉を取り上げています。「死者1万9759人、行方不明者2553人」という膨大な数字の裏側には、そこに生き、震災を体験した、それぞれの人生があります。一つ一つの言葉からは、震災から15年が経過してもなお続く苦悩や葛藤が、数字以上に重く伝わってきます。

記憶と街をどう継承するか
 また、過去の記事に目を向けると、2022年の同紙では「語り部引退、誇りを持てる街に」と題し、宮城県南三陸町で活動する語り部の姿が取り上げられていました。
「ここが俺のじじいのふるさとだって、若い世代に誇りを持ってもらえるような街になってほしい。遺産や先人の歩みを伝承することが、街の将来のヒントになる」
この言葉は、事実を伝えるだけでなく、その土地の歴史や文化を「遺産」として次世代に繋ぐことが、人口減少に悩む被災地の再生には必要な事を訴えています。

「最も若い当事者」としての使命
 筆者が今年の震災報道を通じて受け取ったテーマは、「歴史の伝承」です。TBSの「news23」では、当時幼稚園児だった20歳の大学生が、自ら語り部として活動を始める姿が紹介されていました。語り部と聞くと年配の方を想像しがちですが、震災の記憶を風化させないためには、若い世代がその役割を引き継ぎ、次の世代へと繋いでいく必要があると強く感じました。私たち大学生は、震災を直接経験した中で、最も若い年代にあたります。震災を全く知らない後輩世代や子供たちに向けて、当時の張り詰めた空気感や人々の思いを自らの言葉で語り継げる存在として発信していくことが求められます。

復興の「第3期」と冷徹な現実
 一方で、復興に関して避けて通れない現実もあります。昨日の読売新聞朝刊一面トップの「現役世代減少 全国の倍」という記事からは、被災地での人口減少という厳しい現実が読み取れます。 国はこれまで42兆円を投じてインフラを整備してきましたが、肝心の住民の帰還が進まず、整備された施設などの維持管理が大きな課題となっています。今年4月からは、住民の復帰や産業振興を主目的とした「第3期復興・創生期間」が始まります。

今後は、これまで以上に「風化させないための活動」が大切になっていく時代になります。映像だけでなく、言葉でも、私たち若い世代が積極的に語り継いでいく必要があります。