秋篠宮家の長女眞子さま(29)と小室圭さん(29)が今月26日に結婚するとの発表がありました。英国でこのニュースを知った筆者は、約3年半にわたる長い論争がやっと決着したという印象を持ちましたが、一方で事態のあまりの急進展に驚かされました。さらには、複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)であると診断されたことが明らかになるなど、異例づくめの展開が物議を醸しています。このニュースはBBCでも取り上げられており、国民の反対を押し切って結婚に踏み込んだその姿は「‘The Harry and Meghan of Japan'(日本のハリーとメーガン)」と称されていました。
■ロイヤルファミリー 異例の結婚
ハリー王子とメーガン妃は、英王室の抵抗を押し切って2020年に王家を離脱。彼らの結婚は、国民の期待する「普通」の王室の結婚とは違いました。アメリカのテレビドラマ「SUIT」で弁護士役を務めたことで知られているメーガン・マークル。彼女はアメリカ人であることや混血であること、さらには離婚を経験していることから、王室には「ふさわしくない」との批判を受けることがありました。そして19年5月に子供を授かったこともあり、王室を離れて北米で新しい生活を始めることを決めました。その他にもメーガンの王室職員へのいじめ疑惑が取りざたされ、インタビューでエリザベス女王から人種差別を受けたことを暴露するなど、数々の批判や注目を集めてきました。
■皇族に「ふさわしい」とは
華やかなイメージを持つ女優メーガンに向いた世間の厳しい目は、小室圭さんに向けられたそれと重なるものがあります。ポニーテールで会見に臨んだ姿勢や、ポケットに手を突っ込んだ態度、過去の写真の流出などは、皇族の結婚相手としてのイメージをさらに低下させました。しかし、これらの類のバッシングは粗探しに思えてなりません。小室さんというひとりの人間をつるし上げて、みんなでとにかく石を投げてつけているように感じられます。
たしかに小室さんの母親の金銭トラブルについて、丁寧な説明があったほうが良いという意見には賛成しますが、容姿や過去の言動についてまで言及して完璧を求めることは少しやり過ぎではないでしょうか。もし自分が世間から評価づけられることになって、過去を全て洗いざらい調べられたらと想像してみてください。自分のことを欠点なしの100点満点の人間であると胸を張っていえる人はほとんどいないのではないでしょうか。
■ロイヤルファミリーへの行き過ぎた期待
「高潔で品位のある存在でなくてはならない」。そんな国民の期待が皇族をより追い詰めているように思えます。彼らの人権について考えるとき、「国民の税金で暮らしているのだからある程度の制限は仕方がない」とよく言われます。しかし、彼女は自分の意思で皇族になることを選んだわけではありません。皇室の家系として生まれたがゆえに、国民と同等の権利を与えられず、世間からのバッシングに耐えながらも慎ましく暮らしていくしかないのです。
■離脱後のふたり
眞子さまと小室圭さんの今後の生活について気になるところですが、ハリーとメーガンはどうやって暮らしているのでしょうか。王室からの財政支援を断たれた夫妻は、ハリーの母であるダイアナが残した財産で米への移住を成し遂げたといいます。また、メーガンはライフスタイルブログを運営しており、カナダのブランドで独自のファッションラインを設計しています。さらに彼らは移住して以来、NetflixやSpotifyと取引を始めたことで資金を得ており、これらは何百万ポンドもの価値があると憶測されてきました。
こうして晴れて自由に収入を稼ぐことのできる身となったわけですが、セキュリティにかかる費用は非常に高額だそうで、ただ遊んで暮らしていくわけにはいかないというのが現実です。眞子さまは、皇籍離脱の際に支給される「一時金」(満額で約1億5千万円)を辞退する意向を示しており、経済的な影響が懸念されます。
ハリーとメーガンは民間人となった後も誹謗中傷から完全に逃れることはなく、今でもたびたびメディアに顔を出しています。もちろんそのおかげで仕事を得ている部分もあるとは思いますが。果たして眞子さまと小室さんが、完全な民間人として穏やかな暮らしを送る日はくるのでしょうか。
参考記事：
21年10月1日朝日新聞デジタル「眞子さまと小室圭さん、26日結婚へ 年内に米国で新生活」
21年10月1日朝日新聞デジタル「眞子さまと小室さん「異例の結婚」 過去の女性皇族と異なる点は?」
20年1月2日朝日新聞デジタル「皇族の「人権」どこまで？ 目につく「不自由さ」」
17年11月27日メーガン・マークルとハリー王子:王室の揺さぶり – BBCニュース
21年6月6日プロフィール: サセックス公爵夫人 – BBCニュース
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