4枚の巨大プレートの境界に位置する日本は世界でも有数の地震大国です。
南海トラフ地震や首都直下地震などの巨大地震が数十年以内に高い確率で発生すると言われています。
筆者が住む札幌でも、先日震度4の地震がありました。
北海道をはじめとした寒冷地では、他の地域にはない特有の危険もあります。
◯深夜の地震 札幌で震度4
今月8日、青森県東方沖でマグニチュード7.5の地震が発生しました。青森県八戸市で震度6強、北海道函館市で震度5強、札幌市で震度4の揺れを観測しました。
23時15分頃、筆者が自宅でくつろいでいると、スマートフォンがけたたましい音を立てて緊急地震速報を知らせ、通知から数十秒後に建物が横に大きくゆっくりと揺れ始めました。正確な時間は測っていませんが、30秒前後と比較的長い時間揺れが続いたように感じました。
23時23分には、襟裳岬などが含まれる「北海道太平洋沿岸中部」に津波警報が、東は北方四島から西は渡島半島までの広い地域に津波注意報が出され、道内各地で緊張感が高まりました。
◯初の後発地震注意情報
この地震を受け、政府は初の「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表しました。大規模地震が起こる確率が普段より高まっているとして警戒を促すもので、今回が2022年12月の運用開始以来初の発表となりました。
大きな地震が発生した後に再び大規模な地震が起こることがあり、実際に11年の東日本大震災では、2日前の3月9日にマグニチュード7.3の地震が発生していました。
太平洋プレートが北米プレートの下に沈み込む北日本の太平洋側では、日本海溝・千島海溝地震が30年以内に高い確率で発生すると予想されており、今後も注意が必要です。
◯避難を阻む雪と寒さ
地震発生後の避難において、積雪と寒さは避難者にとって大きな障害となります。
例年12月頃になると道内各地では積雪が春まで溶けずに残る根雪となり、路面の凍結や気温上昇時にできた水たまりなどで足場が非常に悪くなります。
津波発生の恐れがある場合、迅速に海岸から離れて高台に逃げる必要がありますが、冬季は積雪により避難が遅れる恐れがあります。
また、寒さによる低体温症にも注意が必要です。内閣府によると日本海溝で巨大地震が発生した場合、低体温症要対処者数は最大4.2万人に上るとされています。
災害時には発電所や送配電網への被害で停電になる可能性もあり、毛布や防寒着などの用意が欠かせません。
後発地震注意情報は16日午前0時で終了しましたが、災害時に身の安全を確保するためには日頃の備えが不可欠です。
筆者も寒冷地特有のリスクを念頭に、改めて地震対策を見直したいと思いました。
参考記事:
12月10日付 読売新聞朝刊1面「7道県「後発地震注意」 1週間「特別な備え」 気象庁発表 青森震度6強 5道県9282人避難 51人けが」
12月9日付 朝日新聞朝刊1面「青森震度6強、津波警報 北海道・東北で観測 M7.6」
日経電子版「青森で震度6強、津波70センチ 初の北海道・三陸沖後発地震注意情報」(2025年12月8日(同9日更新))
参考資料:
