流行語から今年を振り返る

今年も早いものであと3週間となりました。先日発表された新語・流行語大賞の結果から、2025年を振り返ろうと思います。

12月1日、「現代用語の基礎知識選 2025T&D保険グループ新語・流行語大賞」が発表されました。大賞には高市早苗首相の「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」が選出されました。

日本初となる女性首相の誕生が性別の「ガラスの天井」を破ったという声があるものの、この言葉には賛否両論が巻き起こりました。日経新聞によれば、首相は授賞式で「働き過ぎの奨励や長時間労働を美徳とする意図もありませんので、誤解なきよう」と話したといいます。

来年4月に新社会人となる筆者に、新政権のもとで話題となったワークライフバランスや労働時間の規制緩和などは実感を持って伝わりました。労働時間の規制緩和には、経済成長につなげる狙いがあるといいます。しかし、このような首相の言動が、長時間労働を美徳とする価値観を再燃させてしまうのではないかという心配の声は絶えません。国のトップの発言は、個人の意気込みにとどまらず、社会への呼びかけとして映りうるということでしょう。今後、国会や政府、経済界でどのような議論がなされるのか、注視したいものです。

日経電子版「流行語大賞、高市首相「働いて働いて働いて」 トップ10に古古古米」より引用

トップ10の中で筆者がもう1つ注目したのは、「戦後80年/昭和100年」の言葉です。太平洋戦争の開戦日である昨日の朝日新聞と読売新聞の1面の記事ではそれぞれ、真珠湾攻撃で特殊潜航艇に乗った若者がテーマとなっていました。現在もウクライナやガザの戦争が続いていることやSNSで他国や外国人に対する差別的な言説が広がっていることを踏まえると、今一度平和について思いを新たにすることが必要なのではないかと思われてなりません。被害と加害の両方をもたらす戦争の恐ろしさと、なぜそこまで突き進んでしまったのでしょうか。「戦後80年/昭和100年」という流行語は改めて考えるきっかけになりそうです。

ほかにも、トップ10には「トランプ関税」「国宝」「ミャクミャク」「古古古米」などが並びます。今年がどんな年だったか思い出しました。

筆者にとっての流行語は「旅」。今年は北海道や宮城県、韓国など初めての場所をいくつも訪れ、初めて知ることや初めて食べるものも多く、充実した思い出となりました。来年就職したら、また新たな土地に行けることにもわくわくしています。

皆さんも自分の流行語を探して、今年を振り返ってみてはいかがでしょうか。

 

11月12日付 日経電子版「高市早苗首相、労働時間の上限緩和狙う 働き手の需要踏まえ検討」

12月1日付 日経電子版「流行語大賞、高市首相「働いて働いて働いて」 トップ10に古古古米」

12月8日付 読売新聞朝刊 (大阪13版)1面「生かされた命 復興の礎」 関連記事29面

12月8日付 朝日新聞朝刊 (大阪14版)1面「真珠湾で戦死 靖国の「神」に」 関連記事29面