砂漠と肥沃な土地の境界とは? アフリカ紀行【中編】

中編ではモロッコ砂漠ツアーの前半を取り上げます。【前編】をお読みでない方は、こちらもぜひご覧ください。

今回の砂漠ツアーは、Get Your Guideというオンライン予約サイトを通じて手配しました。世界中の現地ツアーや観光スポットのチケットを検索・予約できる世界最大級のプラットフォームです。多言語・多通貨に対応しており、世界中からアクセスできる利便性の高さから、導入が広がっています。

マラケシュで30時間ほど過ごした朝、イスラム教の礼拝の呼びかけアーザンが街中を駆け巡ります。

マラケシュのジャナ・エル・フナ広場を起点に、サハラ砂漠などを経由しながら、迷宮都市フェズまで乗合バンで3日間かけて巡ります。累計走行距離は1,100km以上におよびました。

アメリカ、イギリス、ノルウェー、日本の総勢15人のツアーです。道中、アメリカ人の仲間から「今の日本の首相についてどう思う?」と尋ねられる場面もありました。

乗合バンでサハラ砂漠へ向かう

*画像の一部を編集しています。

車に揺られること、4時間。オート・アトラス山脈を越えると草木のない景色が一面に広がります。実は標高4167mに達するこの山脈が、地中海の温暖で湿潤な気候を遮っているのです。しかし、そうした中でもところどころに緑や小川が姿を現す場所があります。これがオアシスです。

描かれた木々がオアシスを指す

(筆者撮影)

人々は、こうした水と緑に恵まれ、耕作ができる限られた土地に暮らしています。オアシスから少し離れただけで再び完全な不毛の地に戻ってしまうという環境は日本にはなく驚きました。

奥の山々は草木がない不毛の地、

手前は豊かな緑が広がるというコントラストに驚く

同じくオアシスにあるのが「アイト・ベン・ハッドゥ」です。日干しレンガと土によって築き上げられたこの村は1987年に世界文化遺産に登録された要塞村で、数々の映画の舞台にもなっています。

17世紀、先住民族のベルベル人が外敵や部族間の争いから身を守るために建設したもので、村全体が強固な城壁や銃眼付きの塔で要塞化されています。かつては栄えていましたが、現在では土壁の傷みが進み、ほとんどの住民が村からいなくなったといいます。

銃眼から望む、アイト・ベン・ハッドゥの住居

(2025年3月29日、筆者撮影)

散策中、一匹の野犬が現れ、私たちを先導するように歩いていました。どこか物寂しげに観光客を見つめる様子は、この村の過去と今の様子を静かに代弁しているかのようでした。

アイト・ベン・ハッドゥと寂しげに見つめる犬

アイト・ベン・ハッドゥでは先住民族のベルベル人が案内してくれました。案内人の方の携帯電話の着信音は「ベルベル、ベルベル」と鳴る設定になっており、何とも印象に残りました。

英語をどのように身につけたのか尋ねたところ、「Duolingoで学んだ」とのことです。遠く離れた砂漠の先住民族も利用しており、この言語学習アプリが世界中で広く使われていることを再認識しました。

Duolingoとは ゲーム感覚で言語を学べるオンライン学習プラットフォーム。

ツアー1泊目の宿泊先はオアシスにある伝統的なリヤドです。アラビア語で庭や邸宅を意味します。特徴は建物の中央に吹き抜けの中庭やプール、緑があり、タイルでの細工や手彫りの装飾が施されています。モロッコの伝統的な暮らしや建築様式を感じることができます。この日も前編で紹介したタジン鍋をいただき、翌日に備えます。