モロッコ砂漠ツアーの出発地マラケシュとは? アフリカ紀行【前編】

2025年3月、サハラ砂漠を見たいと思い立ち、モロッコへ旅立ちました。前編となる今回は、砂漠ツアーの出発地にたどり着くまでの道のりを紹介します。

日本からモロッコへの直行便はなく、ヨーロッパや中東などを経由する必要があります。筆者は、スペインのバルセロナから現地へ向かうルートを選びました。バルセロナを離陸して約1時間。眼下には、ユーラシア大陸とアフリカ大陸を隔てるジブラルタル海峡が姿を現します。実はこの海峡、世界の海上貿易における依存度(金額ベース)でマラッカ海峡、台湾海峡に次ぐ第3位を誇る、世界経済にとって重要な大動脈なのです。

アフリカ大陸(手前側)とユーラシア大陸(奥)が一目で見える

中央はジブラルタル海峡、海洋交通の要衝だ

モロッコの首都マラケシュへ向かう機内から望む

(モロッコ上空、2025年3月27日筆者撮影)

 

モロッコ最大の都市カサブランカに到着後、まずは現地通貨モロッコ・ディルハム(DH)への両替をしました。日本ではディルハムを取り扱う両替所が見つからなかったため、空港内で両替を済ませました。ここは経由地。約5時間の乗り継ぎを経て、国内線で砂漠ツアーのスタート地点マラケシュへ向かいます。

現地の人との交流は旅の醍醐味です。マラケシュの市街地を歩いていると、現地の人々から次々と声をかけられます。「日本知っているよ!アニメや広島が有名だよね」などと、気さくに話しかけてくれる温かい人ばかりです。

日本人と結婚したというモロッコ人との出会いもありました。「英語の先生をしている日本人と結婚して、今は帰省で戻ってきているんだ」と嬉しそうに話し、なんと日本の運転免許証を見せてくれます。遠く離れたアフリカの地で、日本との繋がりを感じる瞬間でした。

フルーツジュースを販売するお店から街中を眺める

(2025年3月28日筆者撮影)

モロッコ原産の植物油であるアルガンオイルを販売するお店では、「今は機械で挽いているところが多いけれど、うちは昔ながらの人力で時間をかけて挽いているんだ」と、商品ができるまでの背景や作り手のこだわりを丁寧に教えてもらい、思わず購入することに。

現地の人との会話を楽しみながら観光できるのは最高なのですが、と同時に入手したいもの、体験したいことが増えていきます。「限られた予算内で、できるだけ多くのことを体験したい」との思いから、価格交渉を含めたお金の使い方には自然と気合いが入ります。

マラケシュの商店街、スーク

どこを歩いているのか分からず、何度も迷った

(2025年3月28日筆者撮影)

続いて訪れたのは「ジャマ・エル・フナ広場」です。公開処刑場としての歴史を持つ広場は国内各地から商人や農家が集まる交差点でした。活気あふれる市場やイベントの舞台として、地元の人々や観光客の憩いの場となっています。

日没を迎えると、軽快な音楽とともに広場は一気に熱気を帯びていきます。しかし、翌朝になると夜の屋台はすっかり姿を消し、あの賑やかさはどこへやら。時間帯によって全く異なる表情を見せる街の姿はとても新鮮で、この広場で飲んだ搾りたてのミックスフルーツジュースの美味しさとともに今でも忘れられません。

広場がある旧市街全体が世界遺産に登録されているだけでなく、2009年には広場単独でも「ジャマ・エル・フナ広場の文化空間」として世界無形文化遺産に登録されています。

上 ジャナ・エル・フナ広場の夜

下 ジャナ・エル・フナ広場の朝

(マラケシュ、2025年3月撮影)

モロッコの食事といえば、タジン鍋が有名です。とんがり帽子のような円錐形の蓋が特徴的な調理器具ですが、砂漠ならではの知恵が詰まっています。

水が貴重な砂漠地帯において、少量の水や食材が持つ水分だけで調理できるよう、先住民族のベルベル人が考案したものだそうです。サフランやクミンといったスパイスとともに、肉や魚、野菜などをじっくりと煮込みます。

円盤型のパン「ホブス」を手でちぎり、お鍋の具材や旨味が凝縮されたスープと一緒にいただきます。驚くほど美味しく、滞在中は毎回の食事が待ち遠しいほどでした。

タジン鍋

円錐型の食器が印象的だ

蓋を開けると

魚と野菜のタジン鍋が

中編からは砂漠ツアーの日々をお届けします。

 

【参考記事】

日本経済新聞、2026年4月20日、 「世界の海に24の急所 貿易目詰まりリスク、ホルムズ海峡以外にも」