衆議院選挙、自民党が圧勝 ―韓国の反応は―

第51回衆議院選挙で、自由民主党と日本維新の会による連立与党が352議席を獲得し、全465議席の3分の2を上回る歴史的勝利を収めました。一方、第1野党だった立憲民主党と連立政権を離脱した公明党による新党「中道改革連合」は49議席にとどまり、大きく後退しました。

これまで少数与党ながら比較的安定した対韓関係を維持してきた高市政権が、今回の圧勝を受けてどのような政策を打ち出すのか、韓国でも関心が高まっています。

 

―韓国が注目するポイントは―

韓国でまず取り上げられたのは「憲法改正」です。自民党はこれまで、自衛隊の存在を憲法に明記する意向を示してきました。隣国である日本の安全保障政策の変化は、韓国政府にとって極めて敏感な問題です。

韓国紙・朝鮮日報は、高市首相が9日の記者会見で「できるだけ早期に憲法改正の賛否を問う国民投票を実施できる環境を整える」と述べた点を報じました。

一方で同紙は、日本の憲法改正の発議要件が極めて厳しいことにも言及しています。参議院では改憲勢力が十分な議席を確保できない可能性があるとして、「今回の圧勝が直ちに“戦争可能な国家”への転換を意味するわけではない」と分析しました。

また、自民党の主要政策にも関心が寄せられています。特に造船や半導体など、韓国が高い競争力を持つ産業分野への投資強化の動きが注視されています。

日本最大の造船会社である今治造船が業界2位のジャパンマリンユナイテッド(JMU)を子会社化した際、例外的に独占禁止法が適用されなかったことについて、同紙は中国や韓国への対抗を視野に入れた産業政策との見方を示しました。

半導体分野では、台湾のTSMCが熊本県に最先端工場を建設したことにも触れ、日本が先端半導体の生産拠点としての地位確立を目指していると報じています。これを高市政権の対台湾政策の一環と評価する声もあります。

 

―韓国政府の反応は―

韓国の李在明大統領は9日、自身のX(旧ツイッター)に「衆院選での勝利を心より祝福します。首相のリーダーシップの下、日本のさらなる発展を祈っています」と投稿しました。

しかし朝鮮日報によると、韓国政界では、日本政府が中国への牽制や歴史・領土問題を背景に、より強硬な路線へ進む可能性も指摘されています。これは今後の日韓関係における緊張要因となり得るという見方です。

特に、日本が竹島の領有権を主張する「竹島の日」の式典に高市首相がどのように対応するかが、両国関係を占う試金石になるとの見方も出ています。

 

米国の関税政策や中国との対立が続く中、これまで実利重視の外交を進めてきた日韓関係は、新たな局面を迎える可能性があります。今回の選挙結果が東アジアの安全保障や経済協力にどのような影響を与えるのか、今後の動向から目が離せません。

 

 

 

日本経済新聞、2026年2月10日「改憲論議「再起動」自民が衆院3分の2超、朱書右派自衛隊明記に意欲」https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA095YV0Z00C26A2000000/(最終閲覧日2026年2月11日)

日本経済新聞、2026年2月9日「各国首脳が高市首相に祝意 韓国・李大統領「日本の一層の発展祈る」https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM095FN0Z00C26A2000000/(最終閲覧日2026年2月11日)

朝鮮日報、2026年2月9日「日総理“改憲など推進”..‘自衛隊’憲法に明記するのか」https://www.chosun.com/international/international_general/2026/02/09/WZCK47RJA5EOTO7AFWC5IJEW6U/(最終閲覧日2026年2月11日).

朝鮮日報、2026年2月10日「非常に強い権力高市、次は‘強い日本’」https://www.chosun.com/international/japan/2026/02/10/R4SK7C7ATRCH7KH24WAHQ26NOY/(最終閲覧日2026年2月11日).