裁判所に行ってみて

12月26日、裁判を傍聴するため、京都地方裁判所を訪れました。裁判所に入ると、最初に所持品検査があります。刃物などの危険物がないかを確認するため、ポケットの中身やカバンを提出しました。検査が終わると、裁判所の中は自由に歩き回ることができます。

 

まず1階にある開廷表を確認しました。昼過ぎに到着したため、多くの裁判はすでに終了していましたが、刑事裁判が1件だけ残っていたため、傍聴してみることにしました。事件は、前の年に発生した不同意わいせつ事件です。裁判官は棚村治邦さんで、開廷時間は13時30分から15時までとされていました。

 

裁判は209号法廷で開廷されました。法廷には二つの扉があり、前方には裁判官が入退廷するための扉、後方には傍聴人が出入りする扉があります。傍聴人用の扉には、内部を確認できる小さな窓があり、席の空き状況を確認してから入室しました。

 

入廷すると、検察官が論告を述べていました。検察官は、宴席で被告人が上司の小学生の娘に対し、同意を得ないまま左右の頬をすり寄せたことや、抱きついたこと、人差し指を唇に当てたこと、キスをしたことなどを挙げ、これらの行為が不同意わいせつに該当すると主張しました。また、被害者が将来にわたりトラウマを抱えて生きていく可能性を考慮し、懲役2年を求刑しました。

 

一方、弁護人は無罪を主張しました。被告人が宴席に参加した経緯として、被害者の姉から誘われていたことや、姉の証言内容が警察での事情聴取と法廷で変遷している点を指摘しました。また、「覚えていない」「忘れた」といった証言が多いこと、行為が行われたとされる廊下の扉がすべて開いていたこと、被害者自身が事件以前に被告人から嫌なことをされたことはなかったと述べている点などを理由に挙げました。判決は、2月16日14時に言い渡される予定です。

 

今回、初めて裁判所を訪れ、実際に審理がどのように進められているのかを目にすることができ、とても勉強になりました。傍聴席には、中学生から高齢者までさまざまな年齢層の人がいて、熱心にメモを取る人もいれば、静かに座っている人の姿もありました。

 

裁判所というと重い印象を持たれがちですが、所持品検査を担当する職員の方々は丁寧で、裁判中の出入りも比較的自由でした。司法を身近に感じる機会として、裁判の傍聴は一度体験してみる価値があると感じました。