ラブライブ!、こち亀、ケロロ軍曹など有名なアニメとコラボをしてきた神田明神。公式LINEスタンプも発売しています。時代や流行を取り入れてきた神社が今度はICTとタッグを組み、神田祭を楽しむことのできるサービスを公開しました。22日、神田明神の祭務所地下ホール(千代田区外神田2丁目)で開かれた「神田祭ラボお披露目会」に参加してきました。
企画したのは、東京の文化資源の活用法を探ろうと学者や企業、市民団体などが集う「東京文化資源会議」の分科会で、古地図の電子化などに取り組む「地図ファブ」。今回公開されたサービスは2種類です。今を生きる人たち集まり、新たな祭りのカタチを作っていました。
◇スマホアプリ「神田祭ぶらり」
GPSを使用し、古地図上に現在位置が表示されます。江戸、明治、現代の地図がアップされているので、タッチ一つで色々な時代を行ったり来たりできます。簡単な操作なので、誰でも気軽に使うことができるでしょう。神田祭の巡行路にまつわる歴史や食に関する情報が載っているため、散歩のおともにぴったりです。
見慣れた場所も説明を受けると印象が変わり、何か特別な空間のように思えることがあります。開発を担当した株式会社Stroly(ストローリー)の高橋徹さんは「持ち歩いて古地図を楽しんでほしい。自分で新たな発見する機会になれば」と語っていました。
私もアプリ片手に散策へ。すると、私の通っている大学の近くにあり学生に馴染みのある飲食店を見つけました。定番メニューがありますが、実はオムライスにもこだわっているということがわかりました。
◇ウェブサイト「神田祭ライブ」
山車や神輿に据えつけたカメラとGPS機能を駆使して神田祭を生中継します。日本三大祭りの一つと言われる神田祭。直接、参加できなくても熱気をリアルタイムで楽しむことができます。担当した株式会社ゼンリンの荒井翔己さんは「神様の乗り物に現代のGPSやカメラを載せることに戸惑いがあった。こうしたことができるのも新しい形を取り入れる神田明神だから」と語りました。また、位置情報と文化やイベントを融合することは、オリンピックでも活用できるだろうと期待をしていました。
人口減少に伴い、祭の参加率は減少しています。そもそも祭は今を生きている人が練り上げていくものだと思います。神田明神の権宮司、清水祥彦さんは「祭はハードルが高いと言われる。今回の企画があれば多くの人が一緒に祭のワクワク感を共有できる」と話していました。伝統を守りつつも現代に受け入れられる工夫が神社にも求められるのでしょう。
祭の本番は5月11日から17日まで。新年度、新学期の疲れを癒すゴールデンウィークが始まりました。まずは充電して、連休明けには心機一転、祭に参加してみませんか。
(写真は全て筆者撮影)
参考記事:
21日付 朝日新聞(東京14版)29面「神田祭、アプリで新体験 「地図ファブ」と神社協力 古地図で現在地表示 /東京都」