早いもので、2019年が終わろうとしています。あなたにとって、今年はどんな一年でしたか。
国内では、様々な出来事がありましたね。「平成」から「令和」へと元号が移り、国内は祝賀ムードに包まれました。ラグビーW杯日本大会では、日本が初の8強入りを果たし、多くの人が熱狂していました。
一方、多数の死傷者を出すような事件や事故、災害もありました。京都アニメーションの放火事件では、死者36人、負傷者33人にも上りました。東日本で発生した台風、大雨によって、今なお多くの地域や人々が被害を受けています。
さて、私にとって2019年は学生として過ごす最後の年でした。幼稚園時代から数えると約20年間にわたった学生生活も、いよいよ終わりを告げようとしています。
「学生のうちにできることをやっておきなさい。」
周囲の大人たちからこう言われたとき、正直何をすればいいのか戸惑いました。やろうと思えば何だってできるだろうし、やりたいことは今もこの先もたくさんあるはず。「今しかできないこと」がわからなかったのです。
悩んだ末、まずは様々な場所に足を運ぶことにしました。まとまった期間を確保できるのは、学生の特権です。国内では、宮城県の被災地を巡ったり、硫黄島での遺骨収集事業に参加したりしました。海外では、ベトナム、ウガンダ、ルワンダ、ポーランドを訪れ、関心のある戦争や虐殺をテーマに学びました。見たもの聞いたもの全てが新鮮で、時にまぶしく、時に重く、時に受け止め難いものとして映りました。
もう一つ、はからずして「学生にしかできないこと」を経験しました。それは、所属している大学合唱団での活動です。
社会人合唱団との違い、大学の合唱団は必ず4年間で卒業しなければなりません。毎年異なるメンバーと向き合い、異なる声を重ね合わせて歌を紡ぎます。普段の練習以外にも、正式な合宿は1年に数回、計20日間もありました。同じ休み期間を長期的に共有できる学生ならではかもしれません。
しかし、これまで、これは私にとって大学生活の「日常」でした。それが変わったのは、12月末の定期演奏会。最後のステージを終え卒団した時、全てが私にとっての「非日常」となったのです。戻りたくても二度と戻れないかけがえのない日々。そのことに今になって気がつき、そのたびに切なく、寂しい気持ちに襲われています。
きっと、限られた時間を自分なりに有意義に使い、悔いなく終えることが「今しかできないこと」なのです。それならば、残り3ヶ月しかない学生生活も、思う存分走り抜けていくぞ。
2020年は、学生を卒業し、初めて社会に出る年です。ちょっとの不安を抱えながら、期待に胸膨らませています。さて、来年はどんな1年になるでしょうか。
皆様、良いお年をお迎えください。
そして、来年もあらたにすをよろしくお願いいたします。
31日付 新聞朝刊(東京14版)23面(地域)「迎春準備 人、人、人」
読売新聞オンライン「2019年日本の10大ニュース」