世界的に環境問題が叫ばれて久しい昨今。アメリカとそれ以外の国の間で意見の相違はあるものの、環境問題への対策は日々進化を遂げています。
10年ほど前、割りばしの使用量を削減しようと「マイ箸」ブームが起きました。使い捨てのものではなく繰り返し使うことで環境への負荷を減らそうというものです。それ以前にも自動車輸送を減らして鉄道貨物を採用した「モーダルシフト」という言葉も流行りました。
そして最近世界で流行っているのはプラスチックごみの問題です。日本でもレジ袋やペットボトル、食材の個包装などあらゆる場面でビニールやプラスチックが使用されており、それが処分されても細かく粉砕され自然界に残ってしまう問題が指摘されています。
私たち一人一人がこうしたグローバルな課題に関心を持つことは非常に重要です。社会で何が起きているのかを常にチェックし、環境への負荷を減らすために無理なくできることは当然進めていくべきです。
スウェーデンの「環境活動家」であるグレタ・トゥーンベリ氏は女子高校生でありながら熱心に環境問題に関心を持ち、毎週金曜日に学校を欠席して気候変動へ関心を集めるためのストライキを行ってきました。彼女は気候変動に関する会議に出席するために北大西洋をヨットで縦断することで日本でも一躍注目を集めるようになりました。
素朴な疑問が湧いてきます。環境問題と学校を休むことに何の関係があるのだろうか、と。批判覚悟で書きますが、筆者は彼女の行動には全く賛同できません。いくら環境問題に大きな関心が彼女にあるとはいえ、まだ16歳です。にもかかわらず、それを大義名分に勉強を放棄するのはいかがなものでしょうか。「だた単に学校を休みたいだけなのでは?」と勘ぐってしまいます。
彼女は18日、アメリカ議会の公聴会で「科学に基づいて団結し行動してほしい」と語りました。ならば正当な手段でちゃんと学校に行って科学を学ぶべきです。世界を変えたいならば世界を知らなければなりません。その世界は多様な考えで溢れ、彼女がおそらく批判しているであろう世界の企業や政治家、実業家も良し悪しは別にして彼らにとっての幸せを追求しているのです。
彼女が環境問題に意識を持つ。素晴らしいことではありませんか。でも、それを理由に何をしてもいいわけではありません。彼女の年齢でやるべきことはたくさんあるはずです。もう少し、別の意味も込めて「大人」になってから声をあげても遅くないはずです。
学校を休んで、ヨットで北大西洋を横断し、飛行機を使わず鉄道を利用することで環境活動家と呼ばれ環境活動家を自称できるとは、意外とハードルが低いものです。
参考記事:
21日付 朝日新聞朝刊14版 3面(総合3)「脱石炭火力 逆行する日本」
参考資料:
毎日新聞9月19日配信 https://mainichi.jp/articles/20190919/k00/00m/030/027000c