昨日、広島は「原爆の日」を迎えました。今日の日本経済新聞朝刊には、被爆者として原爆を伝え続ける82歳の女性を取り上げた記事が掲載されていた。「時代が変わっても、忘れてはいけない歴史がある」と語り部の活動を続けているそうです。
74年も経てば、原爆を体験した人々は減ります。そのため、平和記念資料館では、被爆体験伝承者講話という取り組みが行われています。伝承者とは、被爆者の体験を直接聞き、その代わりとなって、記憶を後世に伝えている人たちです。日本語だけでなく、英語でも講演を行っています。
筆者も今年春、広島を訪れ、外国人向けに話す伝承者の男性に声をかけました。男性は、「原爆の悲惨さを共感してくれる人もいるが、なぜ反撃しなかったのか、日本も核をつくらなかったのか」と聞かれることもあると話します。これは、「原爆は必要だった」という意見が、世界では主だからだと思います。原爆の投下で、多くの兵士が助かったとも言われています。それでも、「原爆の悲惨さを知って、驚いた。国に帰ったらこれを家族に伝える」と言ってくれる人がいることがやりがいと伝承者を続けています。
昨日に引き続き、今日の朝刊は、各紙で原爆の記事を取り扱っています。一方、海外のニュースサイト、ニューヨークタイムズのHPを見ると広島に関連する記事はありません。国際的には、それほど関心がないということです。
原爆の悲惨さを世界へ伝える取り組みはまだまだ必要です。また、原爆の悲惨さを伝えるとともに、日本人以外にも犠牲者はいたということを知らせる必要があるでしょう。日本だけの問題ではないと伝えるためです。被爆者には、出稼ぎで来ていた外国人もいたのです。
日本はもとより、世界へ発信することが、二度と戦争をおこさせないようにする一歩になるのではないでしょうか。
参考記事:今日付 日本経済新聞(13版) 社会 35面 「「忘れてはならぬ」使命感」