今朝食べた照り焼き。その魚のエサ、知っていますか?

食肉の処理や魚の養殖の現場など、私は見たことがありません。テレビなどでもほとんど紹介されず、現場まで足を運んだことがある人は少ないのではないでしょうか。

日本では、このような機会が大変少ないように感じます。もちろん目の当たりにすれば食欲も、購買意欲も減退するかもしれません。現に、私のオーストラリア人の友人は食肉加工の現場を見て、あまりの衝撃からベジタリアンになったといいます。

牛肉骨粉の使用が4月1日から養殖魚に限って解禁されます。エサの原料である魚粉が10年前から高騰していることが原因で、これにより養殖・飼料業界はコストを削減できるそうです。

しかし、この牛肉骨粉、実は牛海綿状脳症(BSE)を拡大させた原因物質としてエサに使うことが禁止されているもので、欧州連合では使用を禁止しています。これに対し、日本の農林水産省は、安全性に「問題ない」と話していて、米国、カナダ、豪州では使用が認められています。

では何の問題もないのでしょうか。安全かどうかではなく、それをきちんと表示できていないことに問題があるように感じます。私たち消費者はスーパーで売られている食材の裏側を知りません。最終的にどこから仕入れたかは知っていても、どのように飼育され、何を食べて育ち、どのような経路で消費者まで送られるのか定かではありません。

最近の取り組みにより、スーパーでは農作物の産地が分かるようになりました。野菜などは生産農家の名前まで知ることができますが、多くを輸入に頼る食肉や加工食品は表示が難しいことも現実です。例えば、海外で下処理された豚肉を国内で加工したハムやソーセージについては、原産国は日本とされるなど、消費者が知らない流通食品の裏側はたくさんあります。

読売新聞で、小泉武夫氏はクジラの食文化について、昔は「ほとんど一頭一頭に戒名を付け、供養塚を建て、その霊を慰めていた」と書いています。食品の裏側を知ることは勇気と根気がいることです。ただ、もっと知ろうとすることは大切なことであり、食品表示がより改善されることにつながると考えます。

 

参考にした記事:

31日付朝日新聞13版(秋田)経済面「肉骨粉 養殖業のエサ解禁」

31日付読売新聞13版(秋田)投書面「発酵はおいしい(10)」