先日友人と食事を楽しんだ後、割り勘をすることになりました。割り勘に小銭はつきもの。財布の中をゴソゴソと探す私を見て、友人は驚いたように言いました。
「キャッシュレス決済やってないの?」
聞くと、サークル内ではキャッシュレス決済サービスの利用が広まっていて会計は携帯上の操作のみで済ませているとのことでした。彼女は小銭を探す作業は久しぶりだと言いながらしぶしぶ現金で会計をしてくれました。
キャッシュレス決済サービスが急激な広がりを見せています。PayPayは印象的なCMの歌で幅広く知られていますし、LINEpayも有名です。この他にも数多くのサービスが普及しつつあります。そして、各社とも顧客を得ようと大規模なキャッシュバックキャンペーンを繰り広げています。
キャッシュレス決済はメリットが多くあります。現金の持ち運びが減り安全性が増す、レジがスムーズになる等、事業者にも消費者にも利便性をもたらします。経済産業省もキャッシュレス決済比率を2025年までに4割程度とすることを目指し、様々な方策を展開しています。
一方で私はこの加熱具合に戸惑いを覚えていました。ネット上のセキュリティが万全であるのか、そして多種多様なサービス展開に自分を含めどれほどの人々が適応できているか疑問でした。
この「キャッシュレス決済サービス戦国時代」とも言える中で7月1日よりセブンイレブンより「セブンペイ」の運用が始まりました。
しかし、セブン&アイ・ホールディングスは3日、一部の利用者のアカウントが第三者に不正利用される被害を確認したことを発表しました。身に覚えのない利用履歴が表示され、知らないうちにチャージと購入が行われたケースもあったと言います。
利便性が高くても安全性が欠けていては意味がありません。そして、多様化するサービス内容を簡潔にしなければ高齢者などは「おいていかれる」ことになるのではないでしょうか。
現状では自分自身でサービスの内容や安全性を吟味する必要があります。
私はもうしばらく財布の重みを感じながら、レジでお金を探す作業を続けることになりそうです。
参考記事:
4日付 日本経済新聞朝刊(大阪12版)14面(企業1)「「セブンペイ」で不正被害」