中途採用で入社し社歴は20年弱の50歳。既婚で子どもはいない。
これは、日本経済新聞が行なった調査から見える平均的な女性役員像です。
安倍政権は会社法上の役員に執行役員を加えたものを「役員」として、「全上場企業は役員に1人は女性の登用を」と経済界に要請しています。今回の調査では、5年以内に過半数の上場企業に女性の役員が誕生する見通しであることも明らかになりました。政府が女性の役員登用を促していることに対し、「企業の自主性に任せるべきだ」と答えたのは2割で、賛成・容認派が7割を占めており、機運が高まってきていることも分かります。
現在役員という肩書きを持っている女性はどのような人なのでしょうか。調査によれば、平均年齢が49.9歳、中途採用で入社した人が68%を占めているとのことです。一方、プライベートを見ると、未婚が4割と日本人女性の50歳までの未婚率1割と比べると高い割合です。また、子どもがいないと答えた人も7割を占め、男性の部課長の8割に子どもがいたことと比べると女性は仕事と家事・育児の両立が難しいことが伺えます。
女性の皆さん、皆さんは出世がしたいですか。ちょうど1年前、就職活動をしていた私は、面接で卒論のテーマが「性別役割分業」(男性が外で働き、女性は家を守るという考え方)であると告げると、面接官から「ところで君は出世がしたいかね?」と聞かれたことがありました。予想外の質問にびっくりしたのですが、少し考えさせてもらった後の答えは「あまり考えていません。」というものでした。家事や育児との両立は今のままでは厳しいだろうと答えると、面接官も「たしかにそうだね。」と頷いていました。女性にも機会があることは重要ですが、今の社会の仕組みだと、仕事・家事・育児の両立は難しいです。女性は出世を諦めるべきなのか。それとも、自分が無理をして全部がんばるべきなのか。それとも、社会や男性からの支援をもっと充実させるべきなのか…。
ぜひ皆さんの意見も聞かせてください。
参考記事:28日付日本経済新聞(東京14版)1面「5年内に女性役員 過半」31面(女性)「役員への道、彼女らの場合」