長野県軽井沢町でスキーツアーバスが転落死乗客乗員15人が亡くなり、26人が重軽傷を負った事故から、今日3年が経ちます。
3年前の今頃、筆者は友人とスキー旅行を計画していました。都内を夜遅くに出発するバスを利用するツアーで、とてもリーズナブルな価格でした。しかし、関越自動車道で起きたバスの転落事故を受け、危険を感じ渋々旅行を断念することになりました。
あの事故の後、今もなおバスに乗るのが少し不安です。人が運転する以上、100%安全とは言えないということを改めて実感したためです。事故の原因として、運転手の劣悪な労働環境や、安すぎる受注価格等が指摘されています。
国は再発防止策として、不当な安値防止へ規制を強化しましたが、本日の朝日新聞によると今も変わらない業界の実態が報じられています。バス業界は閑散期と繁忙期があり、閑散期に旅行会社から受注をするために、繁忙期に安値で引き受けることが業界の暗黙のルールとなっているそうです。バス会社に対し、不当な価格を押し付けている旅行会社側にも責任があります。国が行う規制は、受注側だけでなく、発注側の旅行会社に対しても行うべきだと思います。
一方で、このような価格設定に疑問を抱いてこなかった消費者側も問題です。「安全」に対しては、相応の対価が支払われるべきです。「おもてなし」の無償の気遣いだけでは、安全性を維持することはできません。
今もなお各地で起きているバス事故。悲劇を繰り返さないためにも安全策を実行し続けなければいけません。
参考記事:
15日付 朝日新聞朝刊(東京14版)31面(社会)「業界 値引き体質変わらず」