焦点の環太平洋経済連携協定(TPP)。なかでも難題だった農産物についての日米協議が最終調整の段階に差し掛かったようです。10年目以降は国内産の豚肉に比べて、米国産が大幅に安くなる合意案が浮上していると伝えられています。消費者にとってはプラスですが、生産者は一層のコスト削減が迫られます。
これに関連し、日経新聞の社説は食ビジネスの変化を取り上げています。外食業や大手スーパーの売上高が軒並み落ち込んでいるなか、低価格路線だけに頼っていない企業は好調を維持していることから、「脱・画一化」の流れによって価格競争から脱却してほしいと注文をつけています。
「関税が大幅に下がる10年目」の前に、日本国内で地産地消のビジネスを確立させてほしいものです。そのためにも、つくる側、売る側は消費者に新たな価値観を持ってもらえるように心がけることが大切です。例えば、都心部での「ファーマーズマーケット」や農協による農産物直売所などが思い浮かびます。このような企業や農協、メディアが示す新たな取り組みが消費者の嗜好を変え、ひいては遠からず打ち寄せる関税撤廃や大幅引き下げという荒波に飲み込まれない国作りに寄与することでしょう。
【参考記事】
2日付 日本経済新聞 2面社説「食ビジネスは『脱・画一化』」
2日付 日本経済新聞 4面「米豚肉関税 50円前後に」