「吸う人も吸わない人もここちよい世の中へ」
タバコというと、JTのCMが思い浮かびます。皆さんはたばこを吸いますか。煙が嫌いな人ですか。
私は喫煙者ではありません。でも、大学では愛煙家の友人が意外に多くいます。キャンパスでは喫煙所の数が減りました。相次ぐ値上げもあり、「喫煙者の居場所がない」「やめるべきかな」と嘆いたりもしていますが。社会人2年目の先輩は、「タバコが上司とのコミュニケーションツールにもなる」と話していました。普段一対一で話す機会が少ない上司と、喫煙所で仕事の話をすることがあるそうです。タバコの捉え方も様々ですね。
9日、政府が受動喫煙対策を強化する改正法案を閣議決定し、国会に提出しました。設備基準を満たさない喫煙室の使用や禁煙場所でタバコを吸う行為に対しては、罰則が盛り込まれました。また、飲食店は原則屋内禁煙(喫煙専用室は設置可)なったものの、一部では「喫煙」「分煙」などの表示をすれば喫煙を認めるようです。客席面積100平方メートル以下で、個人経営や中小企業などの既存店が対象です。
昨年3月に厚生労働省が公表した、例外を除き原則屋内禁煙とする案からは、大きく後退。依然として飲食店全体の55%は喫煙可能になりそうです。
それでも、新規店は原則屋内禁煙に決まりました。5年で3割強の店が入れ替わるといわれ、厚労省は徐々に喫煙店が減るとみています。私はあの煙が嫌いです。副流煙の影響で、気分が悪くなったこともあります。だから、長期的な視点で禁煙を進めていくことは、良い方向だと思います。ただし、完全に排除し、喫煙可の店を規制でなくす必要はないと考えます。喫煙席と禁煙席を徹底的に分離する環境を整えること。利用する人も働く人も、喫煙・禁煙どちらかの店を自由に選択できること。2点を実現することが大事でしょう。
周囲の人に与える害を認識して、子どもや妊婦、持病を抱える方の前ではタバコを控えるなどの意識づけも大切になるでしょう。喫煙者と非喫煙者が同席する場合は、ちょっとした声がけも効果的だと思います。ある食事会で、「タバコ吸っていいかな?煙が嫌なら移動するよ」と配慮してくれた友人がいました。煙が苦手な私にとってはありがたかった一言です。
分煙と思いやり。この二つで、すべてのひとにとって「ここちよい」環境に、少しでも近づけばと思います。
参考記事 朝日新聞 朝刊 13(東京)版 7面 「受動喫煙対策 初の罰則」