困っている人に優しくない都市Tokyo

本日、7日から渋谷ヒカリエで開催されている超福祉を体験しよう展(超福祉展)に足を運びました。帰りの道中、帰宅ラッシュで混雑している埼京線に、困っている女性中国人観光客がいました。

彼女が持っているメモには
○○駅
△△市役所前

スマートフォンを使って乗り換え検索をしたところ、所要時間は約2時間、乗り換えを一度しなければいけないことがわかりました。そのことを英語やジェスチャー、また電車内の電子案内板を使って必死で説明しました。しかし、彼女にはあまり伝わっていません。そのとき、ふと「訪日観光客は英語を話せる、理解できる」と勝手に想像していたことに気がついたのです。結局、日本語で説明しつつ、乗換駅で降りて、ホームまで案内しました。

別れ際、困ったらそのメモを見せれば駅員さんや誰かが助けてくれると伝えたところ、渋谷駅では誰もしてくれなかったと彼女は言いました。「そんなところ知らない、わからない」と突っぱねられたそうです。「お・も・て・な・し」をする都市Tokyoで、アプリを使えば一瞬で分かる今、他に誰もいなかったのかと、かなり衝撃的でした。

また、言語の壁を感じたのも事実です。埼京線の電子案内板は中国語や韓国語の案内はありませんでした。また、運行系統も複雑で、日本人の地方出身者でも苦労する電車の乗り換えを慣れない日本語で案内されることがどれだけ難しいか。今考えても適切な対応だったのか、心残りです。

超福祉展では、言語の壁をなくすかもしれない展示品がありました。このゴーグルは、マイク越しの声を自動で文字化したものをレンズ越しに見ることができます。

展示では聴覚障碍者向けに、とのことでしたが、外国人観光客にも応用できるのではないでしょうか。担当者の方に話を聞くと、マイクロソフトが提供している言語であれば翻訳することもできるそうです。

五輪まで1000日を切りました。技術革新でも言語教育でもなんでもいい。都民として、困っている人に優しくできる活動をしていきたいものです。

参考記事:
9日付 読売新聞朝刊(東京14版) 23面(都民地方面)「福祉用品 おしゃれ 機能的」