今年3月、原動機付自動車(原付)を購入しました。すると、翌々月に2,000円を納めるようにとの通知書が来ました。軽自動車税です。そんな税金まであったとは。私の財布は大痛手を食らいました。これまで、自転車で通学したり、近所に買い物をしたりしていたので、当然、税金などかかっていませんでした(自転車の購入時の消費税は無しとして...)。ただ、考えてみれば当然なのかもしれません。これまで、原付も買えず、ガソリン代も払えない貧乏学生がアルバイトをして、余裕が生まれ、購入したものです。言ってしまえば嗜好品なのです。移動も楽になり、行動力や高まり、範囲が広がったように感じます。そう考えれば、いくらかの納税は当然なのかもしれないと思い至りました。
8日、自民、公明両党は2017年度の与党税制改正大綱を決めました。配偶者控除の年収要件が150万円以下に引き上げられたものの抜本的な見直しは先送りになりました。今回、注目したいのは、「ビールの減税、発泡酒や第3のビールの増税」と「タワーマンション低層階の減税、高層階の増税」です。
これまで350mlあたり、ビールは77円、発泡酒には46.99円、第三のビールには28円の酒税がかかっていました。それがこれから10年後、3段階を経て2026年10月にすべての税額が54.25円に統一されることになりそうです。
タワーマンションの固定資産税はこれまで、床面積で決められていた仕組みを見直します。景色が良く、取引価格の高い高層階もそうでない低層階も同じ税額でした。それを中間階を基準に、階を一つ上がるごとに約0.26%の増税、反対に一つ下がるごとに減税されることになります。
そこで思いました。この期に及んで減税するのかと。2015年度の日本の一般会計歳入総額は96.3兆円。そのうち38.3%にあたる36.9円は公債金、つまり将来世代の負担になる借金です。こんな借金を私たち若者に残してほしくないというのがほんとのところです。プラスマイナス0で中立を取ろうとするのではなく、少しでも多くの税収を確保してほしいものです。
そんな税制改革をすれば、非難が殺到することでしょう。学生とちがい税負担の多い社会人からすれば少しでも抑えてほしいに決まっています。でも、私が原付に税を払ったように納得できれば問題はないはずです。納得できないから、反対が起きるのです。その問題とは...無駄遣いです。与党も無駄遣いをしていることを分かっているから、増税に踏み込めず、税収中立なんて格好をつけるのではないでしょうか。
税制改革の前に、まず使い道の改革をしてほしいものです。
参考記事
12月9日付 朝日新聞 13版 1面 「税収減避け小幅な変更」
12月9日付 日本経済新聞 13版 「所得税、抜本改革先送り」
12月9日付 読売新聞 13版 1面 「配偶者控除・酒税見直し」
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