恐るべし、見当たり捜査員

 12月に入り、これから忘年会などで人に会う機会が多くなる時期です。「渋谷駅、ハチ公前、午後6時集合」。こんなふうに場所も時間も指定しているのに、待ち合わせがうまくいかないことが多々あります。人の多い場所では、なおさらです。でも、見当たり捜査のプロなら、一瞬で見つけてくれるでしょう。

 本日の朝日新聞、埼玉県版に

雑踏の中 手配犯見抜く技
顔の特徴を手がかりに、指名手配された容疑者らを街頭で捜し出すことを専門とする、県警の「見当たり捜査員」。2011年に3人が配置され、これまで36人を発見し、逮捕するなどした。「追跡が難しい容疑者を捜す最後のとりで」として、約200人の容疑者の顔を記憶。街頭に日々立ち続けている”とありました。

 見当たり捜査員って本当に容疑者を逮捕できているのか半信半疑でした。写真だけを手がかりに知らない人を、しかも現れるかどうかも分からない人を捜すのは至難の業です。この記事を読んで失礼なことを考えていたなと反省しました。

 捜査員には相当なプレッシャーがあるようで、夢の中に指名手配された容疑者が出てくることもあるそうです。この厳しい職務を最新のテクノロジーが代行できないのかと思いました。

 スマートフォンのアプリでも顔を識別して、顔ごとにまとめてくれる機能があります。表情が違っていたり、変顔をしていたりしていても識別しています。この技術を応用することはできないのでしょうか。

 埼玉県警広報室に電話取材してみました。
「金銭的な問題やどこに現れるかわからない容疑者を捉えるためにカメラを設置するのが難しい」とのことです。また、常に監視されているようでは、一般市民にも負担になってしまうでしょう。

 こういうところにも科学技術が応用されれば、多くの指名手配者が逮捕され、市民が安心して生活できます。そして、捜査員の負担も減るのではないでしょうか。それと同時に考えなければいけないのは、もし、本当にそのようになった時に、罪を犯していない市民のプライバーをどう保護するのかということです。一筋縄ではいかない問題のようです。