月面着陸への期待 今も昔も月に思いを馳せて

「月が綺麗ですね」。夏目漱石はI love you.の訳としてそう答えたという逸話があります。この表現は2024年の現代でも多くの人が知っているのではないでしょうか。昔から人は月に思いを馳せて生きていたのだなと思います。

月に関するニュースといえば、「アルテミス計画」で日本人宇宙飛行士2人が月面着陸することで合意しました。人が月面に着陸し、月を探査するアメリカ主導の壮大な計画のなかで、日本はアメリカに続いて月に飛行士を降り立たせる2番目の国になることを目指しています。4月10日の日米首脳会議、共同声明で、日本人がアメリカ人以外で初めて着陸することが「共通の目標」と確認されたそうです。アメリカは26年9月に自国の飛行士2人を月南極地域へ、日本は28年に1人目の飛行士が月へ着陸する予定です。

また、アルテミス計画の中で筆者が興味深く感じたのが、トヨタ自動車が中心となり日本が月面探査車「ルナクルーザー」を開発しているという事実です。この月面探査車を提供する見返りとして、日本に月面着陸の機会が提供されたそうです。人間が月面に着陸するという歴史的瞬間に日本企業が携わることを非常に誇らしく感じます。

以前オーストラリアに留学した際、街中で日本車を沢山見かけました。留学先はオーストラリア北東部のクイーンズランド州にあるToowoombaという都市でした。街中では日本車の販売店をあちこちで見かけます。馴染みのある企業名やロゴを目にしただけで、どこか安心感を覚えたのを思い出します。ホストファミリーはスズキ車に乗っていました。アルテミス計画で日本の技術力があらためて世界に認知され、自動車産業や他の分野においても一層注目を浴びることが期待されます。

 

月は毎日見上げるけれど、手に届くことのない、遠くの存在としか認識したことがありませんでした。また冒頭にも述べたように、I love you.の訳語として「月」が用いられるように、人の気持ちという目には見えないものの例えとなるほど、儚い存在であるようにも思えます。

しかし、アルテミス計画の記事を読み、28年という、そう遠くはない未来に日本人の月面着陸が予定されることに驚き、興味を持ちました。この計画は今月合意されたばかりであり、今後どのような動きがあるのか追っていきたいと思います。日本人が月面に着陸する日まで、昔の人と同じように月に思いを馳せていきたいものです。

参考記事
12日付 読売新聞 (大阪13版)29面(社会)「日本人 28年にも月面着陸 アルテミス計画 日米合意」