マンドリンって何? ~その成り立ちと魅力に迫る~

皆さんは「マンドリン」から何を連想しますか。多くの人、とくに若者にとって、あまりなじみのない言葉だと思われます。「マントヒヒ」でも「マンドリル」でもありません。筆者も大学に入学する前までは、知る由もありませんでした。しかし、たまたまYouTubeでマンドリンのディズニーメドレーを目にしたことで一気にその世界に誘われました。そんなこんなで現在筆者は、立命館大学マンドリンクラブの部長を引き受けるまでに至りました。本日は、筆者が大学で出会ったマンドリンという楽器について説明していきます。

そもそも、マンドリンとは何ぞや。イタリア発祥の撥弦楽器で、大きさはバイオリンほど。イチジクを縦で割ったような形をしています。弦はスチール製の8弦4コース、調弦はバイオリンと同じく低い方からG-D-A-Eとなっています。それに、バイオリン族と違いマンドリンにはフレット(指板)があるため、正確に調弦を行えば容易に音が出すことができ、初心者でも上達しやすいのが特徴といえます。

マンドリンの魅力については、姫路パルナソス・マンドリンオーケストラで設立から現在まで首席指揮者を務め、全国高校ギター・マンドリンコンクールの主催団体理事も務める塩見正成氏に教えていただきました。

塩見氏曰く、「なんといってもトレモロ奏法と呼ばれる連続音から繰り出されるその澄んだ音色」とのことです。トレモロ奏法とは、ピッキングでの音の減衰を避けるために連続して手を動かすことで継続した音にする奏法のことです。

マンドリン族の種類は多様で、マンドリンのほかマンドラテノール、マンドロンチェロ、マンドローネなどがあります。合奏はクラシックギター、コントラバスとが基本スタイルですが、打楽器や管楽器が加わる場合も少なくありません。1人で弾いても、仲間とアンサンブルでも楽しく、さらに大編成での合奏は圧巻でその迫力に引き込まれるでしょう。マンドリンのオリジナル曲からクラシック曲、ポピュラーから演歌までさまざまな芸域を持つ楽器といえます。

マンドリンの魅力を生かした楽曲としては、ジブリ映画「風立ちぬ」のメインテーマ
「旅路(夢中飛行)」(久石譲作曲)が挙げられます。ジブリ作品とマンドリンの相性は抜群によく、鑑賞していると心も耳も癒されます。是非ともYouTubeなどでマンドリンの音に触れてください。必ずや皆さんの心を掴むことと思います。

最後に、塩見氏から学生へのメッセージを添えます。

「コロナで閉塞的な社会が数年続きましたが、大学生からはリアルなコミュケーションを欲する声も多く聞きます。私としてはマンドリン音楽の素晴らしさを次世代に伝えていくことで、大学生のクラブ活動から再び盛り上がって行くことを大いに期待しています」

次回もマンドリンの世界をさらに掘り下げていきます。乞うご期待。

参考記事:

6日付 朝日新聞朝刊 2面(地方) 「タウン TOWN /大阪府」

参考資料:

マンドリン

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%B3